エルちゃん棒との出会い②
コムダル「3つだ。」
(*‘ω‘ *)「・・・3つ?」
コムダル「真の強者となるため、課せられる試練の数だ。」
(*‘ω‘ *)「一発どでかいのくれたほうがいいんだけど。」
コムダル「わがままを言うでない。一度しか言わぬからよく聞け。」
1つ!
「制御」
神獣の力を自らの力にするためには、その強大な力を制御出来なくてはならない。
力を制御できぬなら、神獣がその力を自ら封じてしまうだろう。
そのような者に、天を揺るがす資格などないと思え!
メイン族の群れを探して、最小限の動きで奴らを翻弄してみせろ。
その力を制御できるならその資格があると見なされるだろう!
2つ!
「無為」
器の中になにかものが入っていれば、そこに再びものを入れることは出来ぬ。
自らの欲や驕りを捨て、新しき知恵を受け入れる準備をしろ。
黒狼の主は自分のすべてを捨てることが出来なければならない。
これを「無為」という!
ハスラ古代遺跡に行け。そこの古代武器に立ち向かい、おのが中にある成長の妨げとなものを全て削ぎ落とすのだ!
3つ!
「交感」
黒狼の禍々しい気配は恐怖そのもの。しかし彼も一つの命であることに変わりはない。
君だけの力ではなく、その黒狼と共鳴を通じた絆をもってすれば、お互いの力を極限まで引き出してくれるだろう!!
自ら脅威の中に身を投じるのだ!そして君と黒狼とが互いを心から信頼しあっていることを世に示せ!
・・・
(*‘ω‘ *)「すべての試練をものの数秒でこなしてきた」
コムダル「なるほど。その強さ、その信頼、大したものだ。君と黒狼、まるで親友のような関係にも見える。」
クロ「がう~!」
(⌒▽⌒)「がうがう」
コムダル「ここから先は私では教えられぬ領域だ。バレノスの黒狼のもとへ戻れ。彼の名を知るのだ。そして呼べ。君ほどの力があれば、その名は自ずと分かるはずだ・・・」
・・・
闇の精霊「自ずと分かると言っていたが・・・どうなんだ?」
(*‘ω‘ *)「きっと黒狼の前に行けば、オーラでわかるわ!」
闇の精霊「ふ、ふぅー・・・ん」
・・・
黒狼の現身「来たか・・・エル、我が名を知る者よ・・・」
(*‘ω‘ *)「・・・来たわ」
黒狼の現身「答えてみせよ・・・我が名を・・・」
あなたの名は・・・
「ぽこ太郎よ!!!」
黒狼の現身「・・・?」
(*‘ω‘ *)「・・・???」
黒狼の現身「・・・いや違うんだけど・・・。」
(*‘ω‘ *)「なんて?」
黒狼の現身「いや、えっと・・・感じるだろ?私の名前を。なんかこう、感じるものがあるだろう?」
(*‘ω‘ *)「ない」
黒狼の現身「!!?」
(*‘ω‘ *)「感じるものは・・・」
黒狼の現身「・・・」
(*‘ω‘ *)「ない!!!いっさい!!!!」
黒狼の現身「・・・ちょっと失礼」
・・・
黒狼の現身「おい、どうなってる」
闇の精霊「いや、手はず通り選択肢三つぐらい出したんだよ。」
黒狼の現身「見てないんじゃないのか?上からボタン押してけば自然と依頼達成できるとっても優しいシステムだっただろう?」
闇の精霊「そうなんだけどなぁ・・・」
黒狼の現身「ちょっと確認してみるか・・・。」
・・・
黒狼の現身「あのぉ」
(*‘ω‘ *)「はい。」
黒狼の現身「三つぐらい、浮かばない?頭の中に・・・選択肢的な・・・」
(*‘ω‘ *)「浮かばないっすねぇ。まったく!」
黒狼の現身「スゥー、そうかー・・・。」
・・・
黒狼の現身「おかしいじゃないか?どうなってるんだ。」
妖精ちゃん「意地になってるわね・・・。」
黒狼の現身「・・・意地!?」
妖精ちゃん「エルちゃん。選択肢は見ているはずよ。でも今までの話の流れからして関連性もなく、全然想像出来ないような選択肢だったから意地になってわからないふりしてるんだわ」
闇の精霊「・・・アイツ大分性格あれだからな・・・」
黒狼の現身「・・・まじかぁー・・・。どんな選択肢出したの?」
闇の精霊「ダルとビダム、後おふざけでコムダル・・・」
黒狼の現身「コムダル!?あの試練を最後までクリアできなくて天聖棍引き継げなかったくせに川に向かってブンブン天聖棍みたいな棒振り回して悦に浸ってるあの!?」
妖精ちゃん「あんまり言うと可愛そうよ・・・。まぁその選択肢じゃないのはわかってるはずだから・・・どっちか選んで外れれば、もう一方選べばいいのに・・・。」
闇の精霊「もう教えちゃってもいいんじゃないか・・・?」
黒狼の現身「えー・・・でもそれだと物語の進行上ちょっと・・・」
・・・
黒狼の現身「ここでクイズです」
(*‘ω‘ *)「はい。」
黒狼の現身「疲れたような、体を動かす気になれない感じのことを、なんと言うでしょうか!」
(*‘ω‘ *)「・・・たるい。」
黒狼の現身「くそ!」
黒狼の現身「次です」
(*‘ω‘ *)「はい。」
黒狼の現身「メジャーリーグで活動しているイラン出身の日本プロ野球選手の名前は?」
(*‘ω‘ *)「有選手」
黒狼の現身「あぁあああ!!!」
・・・
黒狼の現身「だってあれ絶対言わないもん!!!わかるもん!!!絶対言わないって心に決めてる目だったもん!!強い意志を感じたもん!!!」
妖精ちゃん「諦めないで!!!」
黒狼の現身「スゥー・・・」
・・・
黒狼の現身「ふっふっふ。分かったようだな。私の名を。」
(*‘ω‘ *)「?・・・いや、わかりませんけど。」
黒狼の現身「・・・そうだ!!そのとおり!!私の名がダル!!!ダルだ!!!!!!!よく分かったな!!!エルよ!!やはりお前は選ばれた者!!!」
(*‘ω‘ *)「!?」
黒狼の現身「我が名を知る者にのみ、この天聖棍を託すことができる・・・!」
ボトン
黒狼の現身「受け取るのだ。認められし者のみが、それを手にすることができる。」
(*‘ω‘ *)「・・・ニヤ」
黒狼の現身「・・・っく」
(*‘ω‘ *)「ま、ありがたく受け取っておくわね」
黒狼の現身「ぐ・・・ぐぎぎ・・・フィ・・・フィサもあなたの成長を喜ぶだろう・・・。私の力の一部があなたと生を共にするだろう・・・。」
(*‘ω‘ *)「よろ。」
黒狼の現身「ッスゥー・・・。あなたの後ろをいつも守っているあの子が私であり、あなたの手のその天聖棍が、師匠そのものだ。」
・・・
黒狼の現身「さて、さようならだ。」
クロ「がうーがうー・・・」
黒狼の現身「我が子よ、悲しむな。お前の仕える主人はちょっとあれだが、強く生きるのだ」
クロ「がう・・・!」
(*‘ω‘ *)「あれとは?」
妖精ちゃん「強大な力の持ち主ということよ。エルちゃん。」
(*‘ω‘ *)「そういうことね。」
黒狼の現身「エルよ。これから、あなただけの道に向かって進むのだ。その果てに何があろうと、いつまでも共に行くのだ。少女よ。黒狼の主よ。その力で、天を揺るがすのだ・・・。」
そうして、エルちゃんは天聖棍を手に入れた。こころなしか、妖精ちゃんと闇の精霊が少し可愛そうな目で消えゆく黒狼ダルの姿を見ていた気がする。
(*‘ω‘ *)「にへ。天聖棍。かっこいいわ。でも名前がダサいわね。もっとかっこいい名前を考えておかないと。」
そしてPART.37へ続くのであった。
おちまい(*´∀`*)