PART.85 カーマスリビアの状況
時には なぜか 大空に 旅してみたく なるものさ ♪
気球に乗って どこまでいこう 風にのって 野原を越えて ♪
雲をとびこえ どこまでもいこう そこになにかが 待っているから ♪
(*‘ω‘ *)らんらーららららんらんららららー♪
闇の精霊「おい。他の奴らはもう先へ行ってるぞ。」
(*‘ω‘ *)「まぁーったくせっかちねぇ。のんびり観光してからでいいじゃない。」
闇の精霊「そういうのは一仕事終えてからするもんだ。ほらいくぞ」
(´・ω・`)「やーねぇ、あんた上司みたいだわ」
・・・
オフィリア「使節団のエル様でいらっしゃいますね。私は女王陛下に仕えしオフィリア・アイネルという者です。あなたの行路に母の花びらがたくさん舞いますように。」
(*‘ω‘ *)「おいす。どうも」
オフィリア「ここは、母のシルビア女神の遺産、神木カーマスリブを中心に、精霊と太陽のオーラを受けて生まれた、私たちガネルの地です。この美しい地は、首都を守るアーチェル、国境を監視するレンジャーが共に守護をしています。」
(*‘ω‘ *)「ほむほむ」
オフィリア「エル様はご存知でしょうか、その昔、カーマスリブを燃やして逃走した反乱集団アヒブという者たちがいたのです。」
(*‘ω‘ *)「アヒブ?知らんなぁ」
オフィリア「そうですか・・・。カーマスリビアとカルフェオン、両国が正しく関係を築くためにぜひ知っておいてほしいことです。そうですね、まずはアーチェルとレンジャーの首長にお会いになってみてください。」
(*‘ω‘ *)「うぃ」
(*‘ω‘ *)「ほえーキレイ。」
ヘレリンス「レンジャー所属の、ヘレリンス・ザナと申します。この度は、女王陛下の黎明の条約に誠実にお応えいただき感謝いたします。」
(*‘ω‘ *)「世界の統治者スーパーえるぽこです。」
ヘレリンス「貴方は他の使節団の方々とは雰囲気が違いますね。もしかして、冒険者様ですか?」
(*‘ω‘ *)「ほぉ、ばれましたか。」
ヘレリンス「ふふ、こう見えて私も軍事を生業としていますから、それに携わっている人であれば見破るのは容易いことです。」
(*‘ω‘ *)「お若いのに素晴らしいことです。」
ヘレリンス「そちらにいるのがアーチェル所属のハセル・アゼリエラーです。」
ハセル「どうも。エルさん」
(*‘ω‘ *)「どーも」
ハセル「カルフェオンからはるばる、ありがたいことです。ですが、一つだけご忠告を。」
(*‘ω‘ *)「?」
ハセル「くれぐれも、いい加減な行動は謹んで頂くように。お願いいたします。」
(´・ω・`)「はぁ。」
ヘレリンス「申し訳ありません、使節団様。彼女は少し言葉が悪くて・・・」
ハセル「そうですか・・・?」
(´・ω・`)「いえ、別に大丈夫です。」
ヘレリンス「カルフェオンとは、今後もいい関係でありたいことを願っています。カーマスリビアは広大で、外国の方からしたら理解しにくいところも多々あるかも知れません。もし何か、お困り事があれば私を訪ねてくださいね。」
(*‘ω‘ *)「天使だ・・・」
ヘレリンス「それでは、ブロリナ・オーネット陛下のもとにご案内いたします。こちらへ・・・。」
ブロリナ・オーネット「ようこそ、グラナへ。貴方を歓迎します。」
(*‘ω‘ *)「ちょめぽにゃん」
ブロリナ「ちょめ・・・それは?」
(*‘ω‘ *)「我が故郷の国で、相手を祝福する時に使われる挨拶の言葉です。」
ブロリナ「それはそれは、ありがとうございます。かつて結んだ条約を覚えていてくださったことにも感謝いたします。」
(*‘ω‘ *)「いえいえ、困ったときはお互い様なのです。」
ブロリナ「さて、使節団様。お時間もあまりありませんし、単刀直入に申し上げます。軍事大国であるカルフェオン共和国より、軍事協力を受けたいと考えているのです。」
(*‘ω‘ *)「はい。」
ブロリナ「カーマスリビアは我らを想像した母シルビアの遺産、カーマスリブの精霊たちとともに存在する美しい大地。本来ここは太陽と月のオーラを受けて生まれた、ガネルとベディルの大地だったのです。」
(*‘ω‘ *)「ほえー・・・太陽と月のオーラねぇ。」
ブロリナ「ガネルとベディルは姉妹とも言うべき存在。しかしあの事件以来、私達は対立をするようになってしまった・・・。」
(*‘ω‘ *)「あの事件・・・?」
ブロリナ「はい、あの日、東方より押し寄せた・・・闇の精霊によって・・・」
・・・
あの日は突然にやって来ました。草原、森・・・すべての者が枯れて行きました・・・。緑を愛する私達にとって、それはまるで生き地獄のようなもの・・・。しかし私達にはその邪悪な力を防ぐ力がありませんでした。
ジョシュア・オドア様がカーマスリブの一部を焼くことで闇の精霊は退きましたが、ガネルとベディルの悲劇はその時から始まりました。
カーマスリブを焼くことは、闇の精霊を止めるためにやむを得ない選択でした。しかし問題は、その後の一部のべディルたちの態度でした。
カーマスリビアを救ったことで傲慢になったベディルたちが、残ったカーマスリブまでも燃やしてしまい、力を振るい始めたのです。
私達は焼いてしまった母の遺産を少しでも早く蘇らせたかった・・・。しかし彼らの眼中にはそんなものはありませんでした。
そんな態度のベディルたちに、カーマスリビアを支える精霊たちは対抗し、姉妹だったガネルとベディルの内戦がはじまったのです。
・・・
(´・ω・`)「なるほど・・・内戦が起きていたのね。でもいまここがガネルの地というのなら、その内戦は勝利を収めたの?」
ブロリナ「勝利・・・と言ってよいのかはわかりません。彼女たちは私達にとって姉妹ですから。しかし争いの果て、彼女たちを乾いた土地の方へ追い出しました。」
(´・ω・`)「なるほろ・・・。」
ブロリナ「しかし、そのようなこともあり多くの精霊が犠牲となりました。そしてカーマスリブは光を失ってしまった・・・。」
(´・ω・`)「ふむ。」
ブロリナ「そしてベディルたち・・・乾いたその地で闇の炎を大きく増大させて、勢いを増しているのです。」
(´・ω・`)「さっきオフィリアさんが言ってたアヒブってのは?」
ブロリナ「そうです。彼らカーマスリブを燃やしたベディルのことをアヒブと呼んでいます。私達はアヒブから国を守るために、カルフェオンの保護を受けたいのです。」
今、ガネルや森はカーマスリブの光を失ったせいで、力がとても弱まっているらしい。だからその光がもとに戻るまで、カルフェオンの軍事支援を欲しているということだった。
ブロリナ「ぜひ、グラナと森を見回ってみてください。そうすれば私達の土地がどれほど追い詰められているか分かるはずです・・・。」
(´・ω・`)「わかりました・・・」
ブロリナ「・・・本当は、見せたくはなかったのです。」
(´・ω・`)「?」
ブロリナ「私達の暗い部分を、このような荒れ果ててしまった地を、他の国々に示すことは容易いことではないのです。あなたのような外国人を歓迎しない人たちも少なからずいるでしょう。」
(´・ω・`)「あぁ、さっきのハセルさんとか?」
ブロリナ「ハセルがご無礼を・・・それは申し訳ありませんでした・・・。アーチェルはもともと外国人が嫌いなんです。しかし今はわがままを言うべきときではありません。・・・ヘレリンス。」
ヘレリンス「はい。」
ブロリナ「この方にグラナを案内して差し上げてください。」
ヘレリンス「かしこまりました。」
・・・
ヘレリンス「グラナの人々は、根はいい人たちなんです。ですが、もしかしたらあなたに対しては少し不親切に映るかも知れません。」
(´・ω・`)「ほむぅ。過去に色々あったからしょうがないね」
ヘレリンス「はい。国境が開放されたとはいえ、あなたのような身元が確かな人でなければ、未だレモリアの警備を通過することは出来ませんから。」
(´・ω・`)「れもりあ?」
ヘレリンス「レモリアは国境を管理するレンジャーの軍事勢力です。空路で来たのであれば通らなかったのですね。陸路を使う場合は必ずそこに行くことになるでしょう。」
(´・ω・`)「そっかぁ。空を渡ってきたから、警備も何もなかったなぁ。」
ヘレリンス「実は少し前にも事件があって、警戒が強化されているのです。物々しい雰囲気があるかもしれませんが・・・ご理解ください。」
ヘレリンス「・・・ううん。駄目ですね!」
(*‘ω‘ *)「お?」
ヘレリンス「せっかくカーマスリビアに来てくださった冒険者様なのに、暗い話ばかりしてしまって。」
(*‘ω‘ *)「ふひ、別にいいですよ」
ヘレリンス「いえいえ!私はこの土地を愛しています。そしてあなたのような外国の方々にも良い思い出にしてほしいんです!」
(*‘ω‘ *)「にひ」
ヘレリンス「そうだ!冒険者様にとって大切なのは倉庫とか・・・あとえーと・・・鍛冶屋さんとかですか?ふふ、ここにはパプーとか、パヂュスなんて種族がいるんですよ!あまり他の場所では見れない子達じゃないかなーと思います。パプーの種族は言葉の終わりに『パ』とか『プ」なんて付けておしゃべりするんです。とっても可愛らしいんですよ♪倉庫番にはパプーのプィピコがいます。まずお会いになってくださいね!」
(*‘ω‘ *)「おういえあっ!」
次回はカーマスリビアを探索します(*´∀`*)お楽しみに!
PART.84 カーマスリビアとの黎明の条約
ヴォルクス「久しぶりだ、エル殿。君は来ると思っていたよ。」
(*‘ω‘ *)「面白そうな場所には行かないとね」
ヴォルクス「ふふ、さすがは冒険者だ。カーマスリビア・・・我々カルフェオンと長きに渡って友好関係を築いてきた国だ。過去にな、カルフェオン北部のトロルと、南部のサウニールが争った時、当時のカーマスリビアの姫君、ブロリナ・オーネット様が大勢の援軍を送ってくれてね」
(*‘ω‘ *)「ほえー、そんなことが。」
ヴォルクス「今、その方は女王に即位して、首都グラナを懸命に統治されているようだ。まぁ、詳しいことはデルパード様がご自身で説明したいとおっしゃっていた。話を聞いてみるといい」
(⌒▽⌒)「おういえっ」
ヴォルクス「さて、長き旅には良き装備が必要であろう。これからも君の助けになるように、装備の強化に関する助言を記して君に送ろう。大事にしてくれたまえ。」
(*‘ω‘ *)「ありがとうヴォルクスのおっちゃん!」
ヴォルクス「それではな。君の旅にエリアン様の御加護があるように。」
・・・
デルパード「おお!きたか、エル!カルフェオンのためによく尽力してくれたな。」
(*‘ω‘ *)「おひさ」
デルパード「ヴォルクスから聞いたかな?我々はカーマスリビアに使節団を送ろうとしている。これはもともと、ブロリナ・オーネット女王と結んだ黎明の条約があるからなんだが。」
(*‘ω‘ *)「黎明の条約・・・?」
デルパード「うむ、トロルとサウニールの争いは聞いたかな。その時にカーマスリビアには大きな恩を受けてね。そこで結ばれた契約なんだ。『いつか、ブロリナ・オーネット女王が助けを必要とした時に、カルフェオンは喜んで力を貸す』というものだ。」
(*‘ω‘ *)「なーるほどね。」
デルパード「しかしな・・・私は少し心配だ。以前と今とでは状況がかなり違っていてね。彼らがどれほど真摯な者たちなのか、疑問がある。そもそもカーマスリビアは非常に閉鎖的な国だから。先代の女王、アメリア・オーネットの時代には、交易どころか人の往来すらもままならなかった。」
(´・ω・`)「ほむ」
デルパード「しかし、今ブロリナ女王の統治となり、門戸が開放されはしたが、彼女たちは軍事支援を要請してきたんだ。」
(´・ω・`)「軍事支援を?なんでまた。」
デルパード「あの土地はな、美しい包装紙を幾重にも重ねたような場所なんだ」
(´・ω・`)「???」
デルパード「カーマスリビアの種族は、女神シルビアの子孫だと自称して、上辺では一つの国として存在しているように見える。しかしその実、互いをガネルとベディルに区別して紛争をしているのだ。」
闇の精霊「確かあのオーウェンとかいう女はガネル族だったな」
(´・ω・`)「ふむ」
デルパード「そんな紛争中のところに、何も知らぬ我々が、ただ条約だからといって軍事支援などしたらどうなる・・・?ともすれば、カーマスリビアを火の海にすることにだってなりうる。」
(´・ω・`)「なーるほどね?それで使節団か。」
デルパード「そこでだ。君に使節団として働いてほしい。」
(*‘ω‘ *)「お?」
デルパード「君ほどの力を持った冒険者であるなら、何にも惑わされず、客観的に物事を判断できるだろう。」
(*‘ω‘ *)「なるほど。いいですよ。カーマスリビアの調査、してきます」
デルパード「ありがたい。エンカロシャー家も支援に協力してくれるそうだ。・・・ところで・・・」
(*‘ω‘ *)「ん?」
デルパード「気のせいか・・・?以前あったときとは、面構えが違うように感じるが。」
(*‘ω‘ *)「ふふ、自分が何者なのか、そしてこれから何をすべきなのかがはっきりしたからね!」
デルパード「ほう・・・それは素晴らしいことだ。君のこれからの冒険が更に良きものになることを祈っている。」
・・・
エンリック「あぁ、君か。姪のことは済まなかったね。」
(*‘ω‘ *)「あぁー・・・ネラちゃんね。見つかってよかったよ」
エンリック「まったくあの子は・・・、秘密守護団?だかなんだか知らんが、変な奴らとつるみおって。好奇心が強すぎるのも考えものだな。」
(*‘ω‘ *)「はは、そうっすね」
エンリック「さて、使節団に君も同行するらしいね。首都グラナに直行できる空の馬車を用意したよ。」
(*‘ω‘ *)「!!!・・・空!?」
エンリック「そうだ、なかなか快適だぞ。大空を気球で飛ぶんだ。ま、彼女たちの紛争に巻き込まれなければいいがね。」
(´・ω・`)「さ、さすがにドンパチまではいってないでしょう?」
エンリック「まぁね、さて、名目上は使節団だが、私はこの機を逃したくない。」
(´・ω・`)「ほえ?」
エンリック「エンカロシャー商団が、彼女たちとの貿易の先頭に立ちたい。だから私達が支援に名乗りを上げたのだ」
(´・ω・`)「うわぁー・・・もともとは恩に報いる外交だというのに。」
エンリック「いついかなるときにも商機を見出す。商人の鉄則だ。わかるか?」
(´・ω・`)「はぁ。」
エンリック「お前の今回の任務がいかに重要であるかを肝に銘じるのだ。任務が無事終了すればお前にも十分な報酬を約束する。」
(´・ω・`)「ま、報酬がよければやりますけどね」
エンリック「知りたいのはグラナの動向、そしてカーマスリビアの国力だ。余力があれば、どれだけの資源があるかどうかもチェックしてもらいたいがね。」
(´・ω・`)「はいはい、そんじゃ行ってきますよー。」
そんなわけで、次回はいよいよカーマスリビアに・・・!!それでは、今日はこのへんで!(*‘ω‘ *)
PART.83 ( ˘ω˘)やっぱりエルちゃん選ばれしセレクテッドパーソンだったわ。
闇の精霊「何をしている。」
( ˘ω˘)「物思いにふけっていたわ」
闇の精霊「そうかい。ま、いきなりエダナの子孫だとか言われて、はいそうですか、とすぐ納得なんてできるはずもないからな。」
( ˘ω˘)「いいえ。ちがうわ。」
闇の精霊「?」
(*‘ω‘ *)「やっぱり私。王の子孫だったのね」
闇の精霊「・・・うわ」
(*‘ω‘ *)「いやぁ~~~おかしいと思ったのよ~。なんというか、無意識に出てしまうカリスマ?オーラ?そして賢さ!強さ!!美しさ!!!!すべてが揃っていて、あぁ、これはきっと、私相当上位の人間だったんだろうなーっておもってたけど」
闇の精霊「・・・」
(*‘ω‘ *)「やっぱりそうだったのね!!!!!!!」
闇の精霊「思うんだが」
( ˘ω˘)「なぁに?」
闇の精霊「オマエには世界を救う上で最も必要なものが欠如していると思うんだ」
( ˘ω˘)「なに?そんなものあるはず無いじゃない。馬鹿言ってないで媚びへつらいなさい」
闇の精霊「人間性だよ」
( ˘ω˘)「・・・・・・」
闇の精霊「そもそもオマエだけの実力だったら大したことないしな。せいぜい小さい町のスキル教官レベルじゃないか。なんたってオレがついているからオマエは闇の力を利用して強くなれるだけであって、考えてみればエダナが遺物を残してくれなければなんにもできなかったよな?」
( ˘ω˘)「・・・・・・さえずるな」
闇の精霊「というかずいぶん前回はエダナの守護者に向かって良い格好してたよな。なにが『うん!それではまた!!!色々おしえてくれてありがとう!』だよwwwwオマエそんなキャラじゃなかっただろ?いい場面だったからってちょっと優しくて素直な性格を演じたのかい?wwwあ、思い出した。エダナの守護者に『優しき心があるように』とか言われてたよな~wオマエに持てる?・・・いやぁー、今考えてみたんだけど、きつい気がする。まて?もう一度考えてみる。諦めるのはよくないもんな。あ。今一度考えたけど無理だったわ、残念だったなwなんというか今までのオマエの行動見てて優しさのかけらも見いだせなかったしな。人間って、そうすぐには変わらないと思うんだ。諦めろwオマエには世界を救う資格はないwwそもそもその能力も・・・ない!w」
( ˘ω˘)「・・・・・・・・・・・・」
( ゚д゚)「るせえぇぇぇぇぇええ!!!エダナにボコボコにされたクソ雑魚の分際で調子のんなやぼけぇぇぇええ!!!!」
・・・
エダン「エル!エルじゃないか!!やはり君とは運命的なものを感じるね。」
(*‘ω‘ *)「なぁに?口説いてるの?」
エダン「ハハッ!しかし聞いてくれよ。ここの兵士たち、僕らを石室に入れてくれないんだ。」
(´・ω・`)「あー。選ばれし者しか入れないみたいよ。」
エダン「え・・・!?え、選ばれし者ったって・・・うぅーむ。」
(*‘ω‘ *)「あ、そうだ。これ預かっといて」
エダンに黄金の石版を渡す。
エダン「ん・・・え?・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
エダン「ええええええええええええええ!!!!!!!」
(´・ω・`)「うるちゃい」
エダン「え!だってこれ!黄金の石版じゃないか!!?違う!?いやそうだろ!この古代の文字!歴史の資料にも載っている!な・・・え!!?」
(*‘ω‘ *)「言ってなかったけど、私選ばれし女、セレクテッドレディだったわ」
エダン「せ・・・せれ・・・?いや、そんなことはどうでもいい!これは、古代人たちの力を制御できる石版だろう・・・!?・・・いやはや・・・まさか君が・・・え、どういうことなんだい!?」
(´・ω・`)「とりあえず話すから落ち着いてちょうだい」
・・・
エダン「それは・・・本当か・・・?わ、わからない・・・いや、分かるんだが。頭が理解を拒絶しているようだ・・・」
(´・ω・`)「そうなの?私は薄々感づいてた。」
エダン「そ、それはやはりエダナの子孫であるからなのか・・・?ま、まぁしかし、あまりおおっぴらにすることではない。君のことも、この石版も。私たちだけの秘密だ。いいね。」
(*‘ω‘ *)「二人だけの秘密ってドキドキしちゃうね♡」
エダン「う・・・はぁ。とにかく、この石版が悪の手に渡らなくてよかった・・・。もしそうなっていたら、この世界は滅んでいたかも知れない・・・君のしたことは偉業だよ。今までの活躍もそうであったが、今回のことは本当に・・・凄まじい。」
(*‘ω‘ *)「それほどでもぉ・・・あるよ」
エダン「ふふ、しかし、これを僕に預けたということは、君はまだこれから先、自分でやりたいことがあるようだね。」
(*‘ω‘ *)「さよう。私には私の使命がある。エダナの子孫としての、使命がね。」
エダン「壮絶な使命だな・・・しかし、不思議だ。君であれば、何事も出来ないことはないと思わされてしまう。」
(*‘ω‘ *)「為せば成る。世界を平和に導くもの。それが私。」
エダン「ふふ、素晴らしいことだ。さて、ところで」
(*‘ω‘ *)「?」
エダン「王様たちに頼まれたんだろう?鍵を見つけろと。」
(*‘ω‘ *)「あ、そやね。どないしょ」
エダン「ふふ、では君の大いなる活躍に助力をさせてもらおう。これをあげるよ。」
(´・ω・`)「なぁにこれ」
エダン「ク・・・ふふ!作り物の鍵だ!どうだい?古代の鍵っぽいだろ?」
(*‘ω‘ *)「あーたしかに。つまりこいつを王様たちに見せればいいってことね!」
エダン「そういうことだ!ただ、これでは当然遺物は開かないから、遺物は不思議な力で封印されていて、鍵だけではどうにもならないとでも言っておけばいいだろう」
(*‘ω‘ *)「お主、なかなかわるよのぅ?」
エダン「ハハ!なにせ秘密守護団だからね!守護するためには嘘だってつくさ!」
エダン「それではエル!また会おう!私達はまた必ず会えるだろう!運命によってつながっている気がする。」
(*‘ω‘ *)「ばいちゃ!古代の遺跡探索ばっかりしているうちに、あなたが古代の遺跡になっちゃわないことを祈ってるわ。」
エダン「はは、そうなったら、続くものが僕を研究してくれるだろう、それでは!息災で!」
(*‘ω‘ *)「あーーーい!」
・・・
闇の精霊「それで?どうするの?その鍵。」
(*‘ω‘ *)「あぁ、誰に渡すかってこと?」
闇の精霊「あぁ、この間は①バルハンと②マンメハンと③シャハザードと言ったが、実際もうひとり候補がいる気がする。」
(*‘ω‘ *)「もうひとり?」
闇の精霊「あいつだよ。シャカトゥのところにいた・・・」
(*‘ω‘ *)「サヤ姫?」
闇の精霊「クク、そうだそうだ。④サヤ姫だ。さて、誰を選ぶ?」
(*‘ω‘ *)「それなら、サヤ姫に渡したい。あの人に渡したら、今後面白いことがありそうな気がする!」
闇の精霊「ク、ククク!やはりオマエとは気が合うな!一番面白そうな選択だ。」
・・・
サヤ「あなたは・・・確かシャカトゥで見かけた冒険者・・・。」
(*‘ω‘ *)「おひさっ。」
サヤ「王宮に出入りする許可を得たのなら、それ相応の働きをなさったのでしょう。」
(*‘ω‘ *)「まぁね。超絶偉大な働きをした。」
サヤ「ふふ、そうですか。それで?何をしに?」
(*‘ω‘ *)「これ。」
偽物の鍵を渡す。
サヤ「これ・・・まさか」
(*‘ω‘ *)「さよう。バルハン王子たちが追っている遺物の鍵です。まぁ、遺物には強力な封印が施されていて、鍵だけあったんじゃ開けられないんですけど。」
サヤ「・・・なぜこれを私に・・・?」
(*‘ω‘ *)「ん?気分かな。いらない?」
サヤ「い、いえ・・・。もらっておきます。ありがとう、エルさん。」
(*‘ω‘ *)「にへへ」
・・・
闇の精霊「さぁて、あのサヤ姫がこれからどう動くかはわからないが、とにかくこれで一件落着といったところか。」
(´・ω・`)「まぁ~。そうね。私の旅の目的である、自分の記憶を取り戻すというのは達成できたわけだし。」
闇の精霊「しかし、ここで旅をおわらせはしないんだろう?オマエには使命があるんだからな。」
(´・ω・`)「まね。それに、ある程度働かないと食い扶持なくなっちゃうし。」
闇の精霊「クク、そうか。ならいい知らせがある。ヴォルクスを覚えているか?あのカルフェオンのトリーナ騎士団の男だ。」
(*‘ω‘ *)「お?」
闇の精霊「やつから面白い手紙が来ていた。」
(*‘ω‘ *)「ん?どれどれ・・・?」
・・・
親愛なるエル殿
カルフェオンのみならず、遠方でも貴公が大いに活躍していることを耳にしている。息災でいるだろうか。
以前、貴公らが少しばかりこのことに興味を持っていたのを思い出してこの手紙を書いている。
青い森の海と呼ばれている精霊の大地カーマスリビアのことを覚えているだろうか。しばらくあの国は他国との関わりを持っていなかったが、つい先日、国交を持つためにそこへの門戸が開放されたのだ。
カルフェオンのカリス議会ではそこへ使節団を送ることを決定した。私はそれに君を推薦したいと思っている。
カーマスリビアはとても美しい国だと聞き及んでいる。よければカルフェオンに足を運んでくれたまえ。
ヴォルクス
・・・
闇の精霊「クク、面白い事が起きる予感がする。そうじゃないか?」
(*‘ω‘ *)「一理ある。」
闇の精霊「さぁ、それではいこうじゃないか。青い森の海、精霊の大地カーマスリビアへ!!」
バレンシア編Ⅰはこれにて終了です!
このあと、順当に行けばバレンシア編Ⅱもあるのですが、ちょっとシーズン報酬との兼ね合いもあるのと、割と内容が独立していそうなので、先にカーマスリビアに行かせてください(*‘ω‘ *)
そういうわけで、次回からカーマスリビア編にはいります!よろしくどーぞ!
PART.82 私の正体
コクロの石室に戻ってきた。
私が・・・何者なのか・・・。
闇の精霊「開けろ。古代の槍を使って。」
エル「なに?今は怖くないの?」
闇の精霊「知らないから恐怖するんだろう。しかしオレは全てを思い出した。」
エル「そう・・・。」
差し込む穴に、古代の槍キベリウスを入れる。
ズズズズズ・・・・ガチャン・・・・
石と石とが擦れ合う鈍い音を立たせながら、古代の遺物が開く。
古代語で書かれた、黄金の石版が入っていた。
その石版を手に取ると、何かの装置のロックが解除されたような音が聞こえる。
エル「何か・・・開いた・・・?」
闇の精霊「見ろ、後ろで光っている。」
闇の精霊「覚えてる?オレたちが初めて力を蓄えたあの石室を。たしか、古代人の石室だったよな?・・・あそこで、誰かがオマエを呼んでいる。」
エル「この装置を起動させるの?」
闇の精霊「そうだ。その光に触れろ。」
そっと光に手を触れる。その瞬間、景色は全く別のものへと変わる。
エル「!!?」
闇の精霊「バレノスの古代の石室だ。」
エル「さっきまでバレンシアにいたのに・・・!?」
闇の精霊「古代の力だよ。ほら、あの台に乗れ。」
・・・
エル「・・・頭がついていかないわ。」
闇の精霊「心配するな。全てわかる。」
目の前に大きな光る遺物・・・?近づいてみると・・・。
ズォォォォォォオオ!!!!
エル「!!?・・・なっ!!!」
光る遺物から大きな存在が姿を表した。
エダナの守護者「ついに現れましたか。我が王の子孫よ。」
エル「・・・・・・!?」
エダナの守護者「私はエダナの守護者。過去からこの古代の門を守っていました。」
エル「え・・・えと・・・」
エダナの守護者「恐れることはありません。私はあなたを助けるためにいるのです。」
エル「!?・・・なら、全て教えてくれるの・・・?私が何者なのか!私がなんなのか!!」
エダナの守護者「・・・いいでしょう。私があなたに知識を授けましょう。」
エル「それじゃぁ・・・闇の精霊のこと、昔のことを知りたい。」
エダナの守護者「いいでしょう・・・」
・・・
古代に巨大な隕石と黒い石がバレンシアに堕ちました。その時に闇の精霊は生まれました。闇の精霊は一部の生命体の脳に寄生し、黒い石の力をもって完全体になることを目的としています。
しかしそれが簡単ではなかった。闇の精霊に寄生された生命体は、黒い力を制御できずに自ら潰れてしまった。しかし、最後まで戦い、勝った者がいます。
それが、あなたの先祖、偉大なエダナです。
・・・
エル「エダナ・・・私の先祖・・・」
エダナの守護者「その後、彼と彼が指揮しているカブア族は、その黒い石の力を制御し利用し始めました。石に刻まれた模様を利用して文明の時代を築き、二度の生によって繁栄をもたらしたのです。あなたの闇の精霊もその時代から存在していたのです。」
エル「黒い石のちからによって繁栄を築いた・・・。」
エダナの守護者「ここにあなたがいるということは、あなたも闇の精霊と戦って打ち勝ったということですね?」
闇の精霊「さて、なんのことだか。」
エル「その繁栄によって建てられたのがバレンシアという国?」
エダナの守護者「そうです。建国伝説、と言われていますね。それではその話を。」
・・・
バレンシアはカブア族が建てました。そしてその最初の王がエダナなのです。
あなたがもってきたその石版、それはエダナが黒い力を制御するために使ったものですよ。
私を始め、古代の巨大生命体の心臓を制御し、無力とする力。その根源もまた、黒い力なのです。
しかし、強欲な人間と闇の者共は、その力を欲しがった。
エダナはその子孫のために、また人類のためにその石版を用いて古代生命体を制御しました。あなたもまた、賢く純粋であることを信じています。だからその力を大切に扱ってほしい。
・・・
エル「・・・あと・・・、どうしてこの闇の精霊は私につきまとうの?」
エダナの守護者「気づいていませんでしたか?その闇の精霊が、エダナと一緒にいた闇の精霊なんです。」
エル「え、そうだったの・・・?」
闇の精霊「ふん。」
エダナの守護者「エダナに負け、粉々になりましたが、自我があなたのことを記憶していたのでしょう。エダナじゃないあなたにだったら、勝てると思ったのではないですか?まぁ、今の姿を見るにそれはなし得なかったようですがね。」
闇の精霊「はっ!オレが復讐するためにコイツについたって?まさか!エダナの子孫だったら強大な力を振れると思ったからくっついただけだよ!」
エル「本当かよ・・・」
・・・
エル「私はこれからどうしたら・・・?」
エダナの守護者「それはあなた自身が考えることでしょう。私にもわかりません。しかし、一つ大事なことは、あなたがそのエダナの子孫であるということを忘れないこと。」
エル「エダナの子孫としてどう生きるか・・・?」
エダナの守護者「エダナはあなたのような子孫たちのため、そして人類のために多くの偉業を成し遂げた。そしてあなたにもそれをする力が受け継がれている。であれば、あなたの前に待ち受ける多くのことを、あなたはどのように対処しますか・・・?」
エル「ふむ・・・」
エダナの守護者「闇の力に支配される心弱き者たち。彼らを正しい方向へ導くことができるのはあなただけ。そして多くの人々を救うのが、あなたの使命です。」
・・・
エダナの守護者「エルよ、我々はまたいつか会えるでしょう。またあなたがこの古代の門を開く時に。」
エル「聞きたいことはまだまだたくさんあるけれど、でも私が何者かがわかってスッキリした。」
エダナの守護者「それはよかった。しかし、あなたはまだあなた自身のことを、そして多くのことを知らなければならない。それは私が教えられるものではない。旅を通じて、世界から学ばなければならない。」
エル「わかった!使命・・・、強欲に塗れた人間たちに正義の鉄槌を下しまくって目を覚まさせるのが私の使命ということなのよね!」
エダナの守護者「まぁ、そういうことですね。それでは、私はこれで。この姿ではそう長くいられないのです。」
エル「うん!それではまた!!!色々おしえてくれてありがとう!」
エダナの守護者「あなたの旅に、強き力と、優しき心が伴うように。」
・・・
気づくと、また元いたコクロの石室に戻っていた。
続く(*‘ω‘ *)
PART.81 闇の精霊の正体
アクマン到着!!すっごく見つけるの苦労した゚゚(゚´ω`゚)゚。ピー
そして、アトサさんに話を聞いてみることに(*´ω`*)
アトサ「貴殿は・・・!まさか・・・」
( ゚д゚)(うっわめっちゃ怪しい!信用せんとこ。)
闇の精霊「なんだこいつ。怪しいやつだな。あんまり信用しないほうがいいんじゃないの?」
(´・ω・`)「人を見た目で判断しちゃだめよ精霊ちゃん。」
アトサ「すまない・・・、急に大きな声を出してしまって・・・。」
(´・ω・`)「いえいえ」
アトサ「もしかして、貴殿は『その者』ではないか・・・!?」
(´・ω・`)「ぬ?」
アトサ「もし貴殿がそれであれば、我々は貴殿の欲しがるものを得られるように助力したい。」
(´・ω・`)「いや、その者とか、よくわからないですけど。っていうかあなた達何者?」
アトサ「我がアクマンは過去から古代文明を守ってきた者だ。それが我々の存在理由であるから。」
(´・ω・`)「古代文明の守護者・・・」
アトサ「しかし、愚かなバレンシア前国王によって我が種族の殆どが滅んでしまった。」
(´・ω・`)「前国王?どういうことか知りたいけろ」
アトサ「いいだろう。ききたまえ」
・・・
我が種族は古代のときから今に至るまでこの場所に存在した。古代の文明を守護し、愚かな者たちを制御するのが我々の使命であった。
しかし、過去にバレンシアにおいてイムール・ネセルという愚かな王がいた。
その王は古代の力と黒い石を利用して全大陸を武力統治しようとしていたのだ。
しかしそれは非常に危険で非人道的である。我々は彼のその計画を阻止しようと試みた。
・・・
(´・ω・`)「それでどうなったの・・・?」
アトサ「焼き尽くされたさ。我が種族。我が先祖たちは全て・・・。そして我々はこの砂漠から追い出された。」
(´・ω・`)「あら・・・」
アトサ「我々は人間を憎んだ。しかし我らの使命は古代の文明を守護すること。そのために身を隠して生活することしかできなかった。」
(´・ω・`)「隠れて生活して・・・どうするのよ」
アトサ「古代の示しだ。『その者』が来るのを私達は確信していたのだ。そう、貴殿を!!」
(´・ω・`)「ふむ・・・」
闇の精霊「『目を覚ましている者』とか、『その者』とか、ついていけないな」
(´・ω・`)「・・・」
アトサ「シャハザードから遣わされたと言っていたな。しかし彼はきっと愚かな者だろう。表向きは私達アクマンを助けてこの砂漠に戻したように見えるが、石室の秘密を探りたいだけだろう。」
(´・ω・`)「さっきのラバムの姉ちゃんは王が気遣ってあなた達を砂漠に戻したとか言ってたけど。」
アトサ「信用ならないな。それに、彼は石室の遺物がどういうものなのか、全く分かっていない。」
(´・ω・`)「石室の遺物・・・どういうものなの?」
アトサ「貴殿だ。」
(´・ω・`)「私?」
アトサ「あの石室は貴殿のもの。貴殿に必要なものだけが置いてある。」
(´・ω・`)「なんと・・・」
アトサ「約束通り、貴殿の求めているものを手に入れられるように助力しよう。南西に向かうのだ。アルゴス・サウニールが占領した神殿がある。その神殿は古代から、我々の偉大な王たちがいたところだ。遺物の鍵を得るには、奴らに奪われた遺物が必要なんだ。」
(´・ω・`)「うぃ」
・・・
そして三日月信者と言われているモンスターから槍、呪文書、アルゴス黒曜石の精気を奪いアトサのもとに。
(*‘ω‘ *)「これでOK?」
アトサ「すばらしい・・・やはり貴殿が『その者』のようだな」
(*‘ω‘ *)「これで全部?」
アトサ「いや、もう一つ、いちばん大事なものがある。」
(´・ω・`)「ほむ」
アトサ「鍵に力を与えなければならない。そしてその役割をするのが・・・」
闇の精霊「ん?」
アトサ「その後ろにいる、闇の精霊だ。」
( ゚д゚)「え!?」
闇の精霊「ええええええ!!!?」
アトサ「悪いが私にはその姿が見えている。声もな。私を怪しいやつ呼ばわりしたこともちゃんと分かっている。」
闇の精霊「まじかよ・・・」
(´・ω・`)(よかった私の心の声までは読み取られてないみたい。)
闇の精霊「それで?オレが力を付与するんだって?」
アトサ「力を与えるというのは、お前自身が鍵になるということだ。」
闇の精霊「???・・・なんだそれ」
アトサ「ふん。自分がなんの存在だったのかも忘れたのか。遺物の鍵とは、闇の精霊そのものだ。」
(´・ω・`)「でも全然鍵の形してないじゃない。」
アトサ「闇の精霊の力が足りないのだ。力を少しでも取り戻せば自ずと鍵は開かれるだろう。」
闇の精霊「力・・・?」
アトサ「クツム、プトルム、そしてアトル」
(´・ω・`)「?」
アトサ「大いなる古代人だ。彼らの心臓から力を抽出せよ。そしてそれを闇の精霊に与えるのだ。」
クツムの心臓の力を吸収した。
闇の精霊「うぅ・・・なんだこの力は。」
プトルムの心臓の力を吸収した。
闇の精霊「うぅ・・・好きじゃない。」
最後はアトル・・・。
(´・ω・`)「・・・あれは・・・」
闇の精霊「なんだ?見覚えがあるのか?」
(´・ω・`)「忘れられた・・・世界の記憶・・・」
闇の精霊「?」
(´・ω・`)「とりあえずいこう」
アトルの心臓の力を抽出した。
(´・ω・`)「どう?」
闇の精霊「・・・気持ち悪い。」
(´・ω・`)「大丈夫そうね。戻りましょう」
・・・
アトサ「これで貴殿が・・・まさに『その者』が・・・我々を再び率いる偉大な者となる・・・。」
(´・ω・`)「ちょっと、勝手に自分の世界に入らないでよ。どうすればいいの?」
アトサ「遺物を取り戻すのだ。闇の精霊が貴殿を石室に導くだろう。」
闇の精霊がブルブルと震える。そして、闇の精霊に手足が生え、鎧のように古代の遺物を身にまとった。
闇の精霊「・・・ああそうか。そういうことか」
(´・ω・`)「?」
闇の精霊「思い出した。思い出したぞ。確かにコイツの言うとおりだ。ここは、この場所はオレの思い出の場所だ。」
(´・ω・`)「あなたも記憶なくしてたんじゃない。人のこと言えないわね」
闇の精霊「ふん。悪態ついてる場合じゃないだろう。鍵だ。鍵を作れ。」
先程、三日月信者たちから奪った遺物を元に、闇の精霊が光る槍を作り出した。
(´・ω・`)「なにこれ」
闇の精霊「これを使え」
(´・ω・`)「なにこれ」
闇の精霊「古代人の心臓の力をその槍に与えろ。そうすれば古代の槍キベリウスが完成する。」
(´・ω・`)「全然ついていけないんだけど。」
闇の精霊「いいか?その槍が遺物の鍵となるんだ。そしてお前はその異物を開くために選ばれた、いや、選ばれるべき存在だということだ。」
(´・ω・`)「??????」
闇の精霊「とにかくいこう。言っただろう。オマエはいずれオマエのことを思い出す。今がその時だ。オマエが何なのか。何者なのか。それが示されるときが来たんだ。」
私が何者なのか・・・?
この鍵:古代の槍キベリウスで石室の遺物を開いた時、私に何が示されるというの・・・?
それでは、次回をお楽しみに!!!!
つづく(*´∀`*)
PART.80 シャハザード国王の頼み
エル「・・・ここ・・・?」
入っていこうとすると・・・。
兵士「ま、まて!」
エル「?」
兵士「本当に入るのか?この異様なオーラの中に・・・」
労働者「危険だ。本当に。まるで呪いのような。」
エル「うぅーん・・・でも入らないとだしなぁ。まぁ、大丈夫、私、闇のオーラにある程度耐性あるので。」
兵士「う・・・うぅむ・・・、しかし」
スタスタ
兵士「あ・・・おいっ!」
・・・
僅かな灯りを放つ遺物・・・奇妙な力が感じられる・・・。
そしてそこに、厳重に鍵の掛けられた古代の遺物が。
エル「開かない。鍵が必要かな。」
闇の精霊「う・・・うあ」
エル「え?なに」
闇の精霊「これは一体何だ。なんだ!?オレ、なんか変だ。」
エル「変・・・?変って・・・!?」
闇の精霊「怖い。怖いという感情がこれか。感じたことのない感情だ。」
エル「・・・」
闇の精霊「逃げよう。ここにいたら危険な気がする。」
エル「でも・・・」
闇の精霊「その遺物!・・・絶対開けるな!!開けてはならない!!!」
エル「・・・まぁ、開けられないしねぇ・・・」
闇の精霊「とりあえずバレンシアに戻ろう。あの糞占い師・・・俺たちをどうにかするつもりに違いない・・・!」
エル「うぅむ・・・そうしましょうか。」
・・・
プラジン「驚いたな。あの石室から生きて帰ってくるなんて。」
エル「?・・・特に問題はなかったけれど。」
プラジン「なるほど・・・さすが、国王の言うとおりだ。エル殿、話したいことがあります。」
エル「話・・・?」
プラジン「実は、あなたにタタールを紹介して、石室に向かわせたのは、シャハザード国王の命令でした。」
エル「シャハザード・・・国王?」
闇の精霊「なぜ国王が・・・?そんな奴に会ったことはないはずだが・・・」
プラジン「なぜ国王がそのようにお命じになったのか、理由はわかりませんが何かしらの訳があったのかもしれません。」
エル「その国王に直接会いたいのだけど。」
プラジン「普通、よく知らない物が王に謁見することなど出来ないですが、あなたであれば問題ないでしょう。どうぞ、案内します。」
・・・
シャハザード「よくぞ来た。私が、ここバレンシアの国王、シャハザード・ネセルである。」
(*‘ω‘ *)「ども」
シャハザード「君はなかなか名のしれた冒険者のようだな。本当にバレンシアは、アールに守られているようだ。」
(´・ω・`)(アール・・・以前も聞いた、バレンシアで崇拝されている神様か・・・。)
シャハザード「君が王子たちの頼みを聞いてくれているということも耳にしている。であるならば、彼らのためだけでなく、ここバレンシアのために力をかしてくれると光栄だ。」
(´・ω・`)「はぁ。」
シャハザード「ふふ、石室に行ってきた感想はどうだった?」
(´・ω・`)「別になんともありませんでした。ただ私に付いてくるストーカーみたいなやつがいるんですけど、そいつがビビってて情けなかったです。」
シャハザード「はは、大したものだ。それで?どこまで知ってる。君が探すもののことだ。」
(´・ω・`)「何かの・・・鍵?」
シャハザード「そこまでたどり着いていたとはな。ふむ。そのとおり。君の探し物、それは石室地下の遺物の鍵だ。」
(´・ω・`)「あぁ・・・あの開けられなかった遺物の?」
シャハザード「そのとおり。あの中には私が必ず持っていなければならない神聖なものが保管されている。」
(´・ω・`)「もしかして・・・鍵がないから、開けられなくて困ってるの・・・?」
シャハザード「・・・まぁ・・・簡単に言えばそういうことだ・・・。」
(´・ω・`)「・・・えぇー・・・」
シャハザード「コホン。私だってなくしたくはなかった。しかしあの鍵を狙うものは大勢いる。そして全く行方がわからぬのだ。ただ、君の力はなかなかに強大なのだろう?」
(´・ω・`)「まぁ・・・強大っていうか。最強?」
シャハザード「ならば、君のその力を我がバレンシアの歴史のために用いてくれたまえ。もちろん、相当の報酬を用意する。」
(*‘ω‘ *)「やりましょう」
シャハザード「ふふ、よろしくたのむ。この都市の軍部教官ラバムがいる。彼女に会って話を聞いてみなさい。」
(*‘ω‘ *)「りょーっ!」
・・・
闇の精霊「で?どうするんだ?」
(*‘ω‘ *)「何が?」
闇の精霊「鍵だよ。オマエ、その鍵をもってこいって、3人のやつから言われてるぞ。」
(*‘ω‘ *)「バルハン王子、その弟のマンメハン王子、そしてシャハザード国王からね。」
闇の精霊「誰に持っていくんだ?」
(*‘ω‘ *)「そりゃ一番羽振りがいい人にでしょ。決まってるじゃない。」
闇の精霊「ク、クク。やはりオマエは面白いやつだ。さて、ラバムだっけ?そいつの元へ急ごう」
(*‘ω‘ *)「うぃー!」
・・・
ラバム「これはどうも。」
(*‘ω‘ *)「国王からあなたの元へ行けと。」
ラバム「それではあなたも目を覚ましている者、なのですね」
(*‘ω‘ *)「???」
ラバム「そうですね・・・、あなた。大いなる運命をもって生まれた者のようですね。その運命は、避けることも、止めることもできません。」
(*‘ω‘ *)「何言ってるのおばちゃん」
ラバム「コクロ石室の鍵をお探しなのでしょう?」
(*‘ω‘ *)「うん」
ラバム「ならば、あなたがそれを自ら探さなければなりません。」
(´・ω・`)「ほむ」
ラバム「あなたが今まで見たこと、経験したこと。その記憶が、答えを導き出すのです。」
(´・ω・`)「はぁ。」
ラバム「砂漠の南に、アクマンという場所があります。そこに話が通じるものいるでしょう。そこへ向かってください。」
(´・ω・`)「ふーん。りょーかい。」
・・・
そして颯爽とアクマンへ向かうスーパーえるぽこなのであった!
つづく(*´ω`*)
PART.79 謎めいたコクロ石室
こちら!マンメハンさんの部下で、占い師のプラジンさん!
プラジン「ふふ、冒険者の人ですか。どうもこんにちは」
(*‘ω‘ *)「こんにちは」
プラジン「あなたのような見知らぬ人が来る場合は二つしかない。占ってもらいに来たか、もしくは王子様が送ってきたか、ですね」
(*‘ω‘ *)「うひ」
プラジン「うむ。君は見た所、占いには興味があまりなさそうだ。ということは王子様に命じられてきたのですね?」
(*‘ω‘ *)「ばれましたか。こうこうこういうことになっていまして」
プラジン「ほぉ。あの貴重なものを追っているとは。なかなかに肝が座っていますね。」
(*‘ω‘ *)「私の肝は大地に根付いている」
プラジン「?・・・ふむ、たしかに探しものはここバレンシアの歴史に関係するものです。ただ、下手したら死ぬかも知れない・・・、それでもあなたはこのことに関わろうとするのですか?」
(*‘ω‘ *)「世界のすべてが私に敵対したとしても、私は勝利をおさめることができる」
プラジン「ははは!わかりました。好奇心に溢れたあなたのような冒険者を私がどうして止められるでしょうか。それではこの都市の湖管理人であるタタールに会いに行ってみてください。そのことに関しては私よりも彼が一番くわしいですから。」
(*‘ω‘ *)「うぃ」
プラジン「ただ、これを覚えていてください。タタールに会った時点で、あなたはもうこのことから抜け出すことはできなくなるということを。」
・・・
タタール「ウィ~~、ヒック」
(´・ω・`)「・・・」
タタール「おぉ!?なんだ!?何見てる!この湖はわしのだぞぉ!?」
(´・ω・`)「朝っぱらからお酒飲んでるの」
タタール「お?おぉー!今日は酒を飲むにはいい日和だからなぁー!!・・・ん?君、昨夜俺のの夢に出てきたか?」
(´・ω・`)「しらんけど。」
タタール「ん~~???違ったか、いや、すごく似てるんだがね。目が5つもあるモンスターだった。ギャハハハハ!!!」
(´・ω・`)イラ
・・・
タタール「なに??建国伝説に関係する物!?この湖が建国伝説なのに!ヒィーック」
(´・ω・`)「はぁ」
タタール「だーれがよこしたんだ?プラジンの奴か??ンヒック、悪いが俺は今酔っ払っててねぇ~。」
(´・ω・`)「どうすりゃいいの」
タタール「むー??酔を覚ますものでもあればいいんだがなぁ~。ぐはは!」
・・・
(´・ω・`)「酔を覚ますものねぇ・・・」
闇の精霊「クク、アイツはビールばかり飲んでる。それなら高いワインでも与えてやろうじゃないか。ああいう貧乏舌にはワインの味は分からないもんだぞ。」
(*‘ω‘ *)「うむ、そうしてみましょう」
・・・
(*‘ω‘ *)「めっちゃ酔えるものもってきたお」
タタール「うん???なんだ?まぁいいか、飲んでみるか!!」グビ
(*‘ω‘ *)「・・・」
タタール「うげぇ!!!ぺっ・・・ぺっ!なんだこれは!ワインか!?ワインじゃないか!!!」
(*‘ω‘ *)「酔覚めた?」
タタール「ふん。礼儀も何もないやつだな。こんなまずいもの出しおって。」
(*‘ω‘ *)「はよ王子様の捜し物のこと教えて。」
タタール「まったく。君と会うのはこれで最後にしたいね。ま、最後だろうから教えてやるよ。ここから北東にすすみな。前代の王族が暮らしていた城がある。そこにいけば王族たちが執着しているすべての理由がわかるだろう。あ~・・・そういえば秘密守護団とかいうやつらも来ていたなぁ」
(*‘ω‘ *)「まじ?知り合いかも。」
タタール「なんだ、お前もそうだったのか?まぁ、行ってみな。砂漠を越えるから、水と温かい茶でも持っていくんだな。」
(*‘ω‘ *)「ふふ、案外優しいのね」
タタール「ふん、これっきりだ!このクソみたいな味のワインを持っていけ!」
・・・
馬は砂漠で走れないけど、クロちゃんだったら走れるのでLS(リトルサマナー)は楽できますね~(*´∀`*)
兵士「え?タタールの使いですか!?砂漠を越えてよくぞこんなところまで・・・。」
(*‘ω‘ *)「バルハン王子とか、マンメハン王子の探している物を調査しているのです」
兵士「それは・・・ずいぶんと大きな任務にあたっているのですね。わかりました、ではお入りください。」
兵士「トーチを持った冒険者がいます。彼らについていけば目的地までたどり着くことができるでしょう。」
(*‘ω‘ *)「おういえっ」
城の地下、コクロ石室を進むと、薄暗い洞窟の中に、兵士たちが立っていた。
労働者「ここだ。わるいが俺はここまでしか案内できないよ」
(*‘ω‘ *)「この下?」
労働者「そうだ。少し高いが、上手く入ればなんとか着地できるはずだ。」
(*‘ω‘ *)「了解!んじゃいくわね」
労働者「あぁ、無事を祈る」
とう!!!
―――どーんっ
グキグキ!!
( ゚д゚)「ぎゃああああああああああああああ」
・・・
ラフィー「おう!ひさしぶりだな!!てっきりエダンだと思ったがお前さんだったか!」
(*‘ω‘ *)「ラフィーのおっさん、ひさしぶり!!」
ラフィー「ふぅ。これが最後のあいさつにならないことを祈る。」
(*‘ω‘ *)「?」
ラフィー「この遺跡だよ。変に静か過ぎる。そして、俺でもわかるような強いオーラを感じる気がするんだ。なにか手がかりがないか探してみているが。強力してくれるか。」
(*‘ω‘ *)「おういえっ!」
中を探索すると・・・
(´・ω・`)「古代の破片・・・?」
闇の精霊「クク、力を感じる」
(´・ω・`)「同じような破片がそこらへんにも散らばってるわね」
闇の精霊「あっちだ。あっちに大きな力を感じる。」
この古代の石室には、何があるのでしょうか・・・。
続く!(*‘ω‘ *)