PART.80 シャハザード国王の頼み
エル「・・・ここ・・・?」
入っていこうとすると・・・。
兵士「ま、まて!」
エル「?」
兵士「本当に入るのか?この異様なオーラの中に・・・」
労働者「危険だ。本当に。まるで呪いのような。」
エル「うぅーん・・・でも入らないとだしなぁ。まぁ、大丈夫、私、闇のオーラにある程度耐性あるので。」
兵士「う・・・うぅむ・・・、しかし」
スタスタ
兵士「あ・・・おいっ!」
・・・
僅かな灯りを放つ遺物・・・奇妙な力が感じられる・・・。
そしてそこに、厳重に鍵の掛けられた古代の遺物が。
エル「開かない。鍵が必要かな。」
闇の精霊「う・・・うあ」
エル「え?なに」
闇の精霊「これは一体何だ。なんだ!?オレ、なんか変だ。」
エル「変・・・?変って・・・!?」
闇の精霊「怖い。怖いという感情がこれか。感じたことのない感情だ。」
エル「・・・」
闇の精霊「逃げよう。ここにいたら危険な気がする。」
エル「でも・・・」
闇の精霊「その遺物!・・・絶対開けるな!!開けてはならない!!!」
エル「・・・まぁ、開けられないしねぇ・・・」
闇の精霊「とりあえずバレンシアに戻ろう。あの糞占い師・・・俺たちをどうにかするつもりに違いない・・・!」
エル「うぅむ・・・そうしましょうか。」
・・・
プラジン「驚いたな。あの石室から生きて帰ってくるなんて。」
エル「?・・・特に問題はなかったけれど。」
プラジン「なるほど・・・さすが、国王の言うとおりだ。エル殿、話したいことがあります。」
エル「話・・・?」
プラジン「実は、あなたにタタールを紹介して、石室に向かわせたのは、シャハザード国王の命令でした。」
エル「シャハザード・・・国王?」
闇の精霊「なぜ国王が・・・?そんな奴に会ったことはないはずだが・・・」
プラジン「なぜ国王がそのようにお命じになったのか、理由はわかりませんが何かしらの訳があったのかもしれません。」
エル「その国王に直接会いたいのだけど。」
プラジン「普通、よく知らない物が王に謁見することなど出来ないですが、あなたであれば問題ないでしょう。どうぞ、案内します。」
・・・
シャハザード「よくぞ来た。私が、ここバレンシアの国王、シャハザード・ネセルである。」
(*‘ω‘ *)「ども」
シャハザード「君はなかなか名のしれた冒険者のようだな。本当にバレンシアは、アールに守られているようだ。」
(´・ω・`)(アール・・・以前も聞いた、バレンシアで崇拝されている神様か・・・。)
シャハザード「君が王子たちの頼みを聞いてくれているということも耳にしている。であるならば、彼らのためだけでなく、ここバレンシアのために力をかしてくれると光栄だ。」
(´・ω・`)「はぁ。」
シャハザード「ふふ、石室に行ってきた感想はどうだった?」
(´・ω・`)「別になんともありませんでした。ただ私に付いてくるストーカーみたいなやつがいるんですけど、そいつがビビってて情けなかったです。」
シャハザード「はは、大したものだ。それで?どこまで知ってる。君が探すもののことだ。」
(´・ω・`)「何かの・・・鍵?」
シャハザード「そこまでたどり着いていたとはな。ふむ。そのとおり。君の探し物、それは石室地下の遺物の鍵だ。」
(´・ω・`)「あぁ・・・あの開けられなかった遺物の?」
シャハザード「そのとおり。あの中には私が必ず持っていなければならない神聖なものが保管されている。」
(´・ω・`)「もしかして・・・鍵がないから、開けられなくて困ってるの・・・?」
シャハザード「・・・まぁ・・・簡単に言えばそういうことだ・・・。」
(´・ω・`)「・・・えぇー・・・」
シャハザード「コホン。私だってなくしたくはなかった。しかしあの鍵を狙うものは大勢いる。そして全く行方がわからぬのだ。ただ、君の力はなかなかに強大なのだろう?」
(´・ω・`)「まぁ・・・強大っていうか。最強?」
シャハザード「ならば、君のその力を我がバレンシアの歴史のために用いてくれたまえ。もちろん、相当の報酬を用意する。」
(*‘ω‘ *)「やりましょう」
シャハザード「ふふ、よろしくたのむ。この都市の軍部教官ラバムがいる。彼女に会って話を聞いてみなさい。」
(*‘ω‘ *)「りょーっ!」
・・・
闇の精霊「で?どうするんだ?」
(*‘ω‘ *)「何が?」
闇の精霊「鍵だよ。オマエ、その鍵をもってこいって、3人のやつから言われてるぞ。」
(*‘ω‘ *)「バルハン王子、その弟のマンメハン王子、そしてシャハザード国王からね。」
闇の精霊「誰に持っていくんだ?」
(*‘ω‘ *)「そりゃ一番羽振りがいい人にでしょ。決まってるじゃない。」
闇の精霊「ク、クク。やはりオマエは面白いやつだ。さて、ラバムだっけ?そいつの元へ急ごう」
(*‘ω‘ *)「うぃー!」
・・・
ラバム「これはどうも。」
(*‘ω‘ *)「国王からあなたの元へ行けと。」
ラバム「それではあなたも目を覚ましている者、なのですね」
(*‘ω‘ *)「???」
ラバム「そうですね・・・、あなた。大いなる運命をもって生まれた者のようですね。その運命は、避けることも、止めることもできません。」
(*‘ω‘ *)「何言ってるのおばちゃん」
ラバム「コクロ石室の鍵をお探しなのでしょう?」
(*‘ω‘ *)「うん」
ラバム「ならば、あなたがそれを自ら探さなければなりません。」
(´・ω・`)「ほむ」
ラバム「あなたが今まで見たこと、経験したこと。その記憶が、答えを導き出すのです。」
(´・ω・`)「はぁ。」
ラバム「砂漠の南に、アクマンという場所があります。そこに話が通じるものいるでしょう。そこへ向かってください。」
(´・ω・`)「ふーん。りょーかい。」
・・・
そして颯爽とアクマンへ向かうスーパーえるぽこなのであった!
つづく(*´ω`*)