PART.60 最高の取引
(´・ω・`)「え・・・こわ」
放浪盗賊隊長「グルルルル」
(´・ω・`)「あのぉ。玉璽箱、返してほしいんですけど」
放浪盗賊隊長「グルゥ・・・グルル」
(´・ω・`)「駄目だわ言葉通じない」
闇の精霊「コイツラは記憶をなくしたオマエと違って、精神まで汚染されてるんだ。殺すしかないだろう」
(´・ω・`)「ふーむ。私はもともと平和主義だというのに。しょうがない」
闇の精霊「ホントかよコイツ・・・」
( ゚д゚)「オラァアア!!!!」ボゴォ!!!
放浪盗賊隊長「ごぼぉおお!!!」
( ˘ω˘)「安らかに眠れ」
闇の精霊「言ってることとやってることが完全に矛盾しているんだが・・・」
(*‘ω‘ *)「あった。玉璽箱だ。」
闇の精霊「よし。ならあの三叉路に戻ろう。テオの奴に恩を売るんだ。クク」
テオ「!!!?・・・本当に取ってきた・・・この短時間で・・・」
(*‘ω‘ *)「世界最強なんで」
テオ「ネルダ様の人材を見抜く力は相当なものだ・・・ありがとう!!」
(*‘ω‘ *)「いえいえ」
テオ「私達はこの馬車を直してからいきます!ネルダ様のところへそれをもって先に行っててもらえますか?」
(●´ω`●)「はーいっ」
テオ「ところで・・・!あなたの名前は・・・?」
( ・`д・´)「ふふ、名乗るほどの者では・・・ないさ!」
テオ「い・・・いやすいません。記録は残して置かなければならないので・・・」
(´・ω・`)「・・・」
・・・
(*‘ω‘ *)「もってきたけろ。」
ラドレイ「すばらしい・・・流石ですね。シャカトゥがここを離れる前に、これをお見せなさい。」
(*‘ω‘ *)「あいっ」
シャカトゥ「おかえりエルさん。うん、そろそろ帰ってくる頃だと思ったんですよ」
(*‘ω‘ *)「なんで?」
シャカトゥ「一度商談を断られたからと言って、すぐ諦めるような者には見えなかった。あなたの目には力がある。ふふ、私は少しあなたに興味がありますね」
(*‘ω‘ *)「ふっふ~。そうです。持ってきましたよ。取引に応じられそうな物を!」
王家の玉璽箱を手渡す。
シャカトゥ「ふむ・・・ほう?悪くない。」
(*‘ω‘ *)「買って?めちゃいいもんだよ」
シャカトゥ「ははっ、正直な人ですね。・・・しかし、私はこれをそこまでほしくはない。」
(´・ω・`)「えー・・・用意するの結構たいへんだったんですよぅ?」
シャカトゥ「商売の世界に過程の話は不要です。私達はそこに”在るもの”にしか興味はない。ついでにいうと情けなどといった曖昧なものでも商売はしませんよ。そういったものに価値を付与しては、物事の価値基準が定まらなくなる。楽しさなら別でしょうがね。」
(´・ω・`)「じゃぁ買ってくれないの?」
シャカトゥ「買うのは別に構いません。ただ、私にいらないものを買わせるということは、シェン商談が私に借りを作ることになるということを意味しています。それでもよろしいですか?」
(´・ω・`)「う、うーん・・・」
シャカトゥ「ふふ、あなたは商売というのがお上手ではないようだ。まぁ、見たところ、冒険者のようだから致し方ないとは思いますが。・・・私がここへなにしに来たか、覚えていますか?」
(´・ω・`)「ん?闘技大会見に来たんでしょ?」
( ゚д゚)「はっ」
シャカトゥ「そのとおりです。先程の試合は本当に退屈極まれり、と言った感じでした。次の試合は、楽しめるんでしょうかねぇ・・・」
(*‘ω‘ *)「ふっふっふ。シャカトゥさん」
シャカトゥ「はい・・・?」
(*‘ω‘ *)「次の試合、おそらく最高の試合になるでしょう。」
シャカトゥ「クク、それはそれは、楽しみですねぇ」
ラドレイ「や・・・やめてください・・・!!!そんなこと・・・!」
(*‘ω‘ *)「なんでよ」
ラドレイ「闘技大会に出るなど・・・しかも、よりにもよって次の試合に・・・!?」
(*‘ω‘ *)「何があかんのよ」
ラドレイ「エルさん・・・。次の試合に出場するのは本当に危険な存在です。奴は闘技場の虐殺者。今まで彼を倒した者はいません・・・。噂ではあるのですが、かの魔女・・・イレズラに力を与えられた者であると言われているのです・・・!」
(´・ω・`)「ほぉん」
ラドレイ「エルさん。あなたのお気持ちをきっとネルダ様もお喜びになるでしょう・・・。しかし、命までかけることはありません・・・退いてください・・・。」
・・・
闇の精霊「イヒヒ、何を心配している。俺がいるだろう?オマエが負けるはずがない。」
(´・ω・`)「あんたフラグ立ててないわよね?」
闇の精霊「ふらぐ??オマエは時々意味不明なことを言うよな。しかし、あのシャカトゥとかいうゴブリン。最初はいけ好かないやつだと思っていたが、なかなか話してみると気が合いそうだ。オレも面白いのが好きだからね。それで?いくの?いかないの?」
(´・ω・`)「まぁいくけど。」
闇の精霊「ククク、心配するな。オマエは強い。」
受付「やぁ、お前さんも来たか。観覧席は向こうだ」
(*‘ω‘ *)「観覧席ではありません」
受付「は・・・?」
(*‘ω‘ *)「戦いに来たんです。闘技場の虐殺者ってやつとね。」
受付「おいおい・・・まじかよ、そりゃぁ・・・」
そう言うと、あたりが騒然としはじめた。
「聞いたかよ。」「虐殺者と・・・?」「あの子、確かシェン商団に入ったとかいう・・・」
受付「く・・・くくく・・・」
(*‘ω‘ *)「?」
受付「がははは!!!!こりゃぁ!!!とても面白い見ものが出来た!!見ろ、みんな!!!やつに挑む者があらわれた!!!」
(⌒▽⌒)「私だ」
「ワーーーー」「キャーーーー」「まじかよぉぉおお!!」
受付「おい、いいか?入ったら後戻りはできない。俺はお前さんに賭けるぜ?あんたが勝つとは微塵も考えてないが、その勇気を称える金だ!」
(*‘ω‘ *)「はは、受付さん。全財産を賭けたほうがいいぜ?必ず私が勝つ。」
受付「いいねぇ!この死にたがり野郎!お前さんが相手にするのはまさに闘技場の帝王だ。奴の前に出たが最後、一瞬で首が吹っ飛ぶ。家族には挨拶したか?遺書は残したか?」
(⌒▽⌒)「必要ない。なぜなら首を飛ばされるのはそいつなのだから」
受付「ハッ。何も言うことはねぇや。行ってきな!」
闇の精霊「ククク、見ろ。この有象無象を。この中の誰一人、お前が勝つことを信じていない。」
(⌒▽⌒)「ははは!メディアの歴史に名を残す。今日がその時だ。」
ネルダ「なぜ止めなかったのだ・・・」
ラドレイ「止めたのですが・・・絶対に行くと・・・」
ネルダ「・・・何もここまでしてくれとは言っていなかったのに。」
ラドレイ「・・・」
興奮する大勢の観客の中、二人は心配そうに私を見つめている。
・・・
シャカトゥ「・・・おい。」
付き人「はっ」
シャカトゥ「せっかくだ。賭けようじゃないか」
付き人「・・・ですがシャカトゥ様。虐殺者の方は倍率1.01倍ですよ。あまり旨味がないのでは・・・?」
シャカトゥ「・・・違う。」
付き人「・・・は・・・?」
シャカトゥ「あの冒険者に賭けろ。百億だ。」
続く( ゚д゚)