PART.59 バレンシアの大富豪シャカトゥ
ラムロ「こんにちは、あなたがエルさん?」
(*‘ω‘ *)「でしゅ。ネルダおじちゃんからもっと資金を集める方法を聞いてくるようにと言われましたん」
ラムロ「・・・はぁ。あの方は本当に欲張りですね・・・。」
(*‘ω‘ *)「ほ?」
ラムロ「いえ、なんでもありませんよ。資金調達ですね。簡単ではありませんが、方法はあります。」
(*‘ω‘ *)「なになに?ききたいでしゅ」
ラムロ「もうすぐ、ここアルティノに珍しい人が来ます。バレンシアの大富豪であり、巨大商団の頭。シャカトゥです」
(´・ω・`)「シャカトゥ・・・。確か名前聞いたことがあるような・・・」
闇の精霊「マンシャゴブリンの元族長がそんな名前を出していたな。パラーシやシャカトゥはゴブリンの憧れだ、と」
ラムロ「あら、噂をすれば・・・。」
闘技場の方を見ると、何人もの護衛に囲まれたお金持ちそうなゴブリンの姿が・・・!
ラムロ「行ってみてください。資金については彼と話すと良いでしょう。」
シャカトゥ「こ~れはこれは。エルさん。どうも。はじめまして。」
(*‘ω‘ *)「お?私のこと知ってたの?」
シャカトゥ「ふっふ~。知らないはずないじゃないですか。『紫髪の黒獣使い』とは、あなたのことでしょう?カルフェオンの英雄、いいや、それだけじゃない、バレノスでもベリア村のために貢献したそうじゃないですか。」
(*‘ω‘ *)「おぉー・・・しゅごい。さすがは巨大商団の長なだけあるわ。」
シャカトゥ「商人にとって情報は最も貴重で価値あるものですからね。」
(*‘ω‘ *)「シャカトゥさんはどこから?」
シャカトゥ「私はバレンシアの北部に住んでいます。バレンシアの全てがそこにあると言っても良いでしょう。機会があれば是非来てください。」
(●´ω`●)「あいっ」
シャカトゥ「それで?なにか理由があってきたのでしょう?まぁ、大方予想は付きますが」
(*‘ω‘ *)「ネルダおじちゃんが資金がほしいんですって。」
シャカトゥ「ふむ。見るにここアルティノには野蛮族の傭兵が駐屯している。しかし彼らは素行が悪い。彼らに代わる良質な傭兵を得るための資金が必要、というところかな。」
(*‘ω‘ *)「ほぉ」
シャカトゥ「はは、しかしね。私は今回久しぶりの休暇を過ごしに、この闘技場で戦う者たちを眺めに来たのですよ。もし私と商談をしたいというのであれば、それだけ価値のある物を持ってきなさい。」
(´・ω・`)「交渉できる物かぁ・・・なにかあるかなぁ・・・。でもアルティノって大したものなさそうじゃない?この間も武器商人から勧められた武器大したことなかったし・・・。」
闇の精霊「クク、簡単だ。あの生意気なゴブリンぼこぼこにしようぜ?そして資金をかっぱらうんだ」
(´・ω・`)「そういうこといわないの!平和に行きましょう。シャカトゥさんと良好な関係を結べばこれからの旅がしやすくなるかも知れないじゃない。」
闇の精霊「ふむ。まぁあのカラス商団の女が簡単ではないと言っていたしな。見ろ。ネルダのところから伝令が来たようだ。」
ラドレイ「ごきげんようエルさん。私はネルダ様の補佐を務めているラドレイです」
(*‘ω‘ *)「どもどもん。カラス商団によると、シャカトゥさんと直接交渉をすべきだと。でもシャカトゥさんは目を引くものがないと商談には乗ってくれないらしいのです」
ラドレイ「ほほう、シャカトゥと直接交渉・・・。しかし目を引くものですか・・・」
(*‘ω‘ *)「なんかあります・・・?」
ラドレイ「・・・うーん、ないことはないんですがね。メディア王家に代々受け継がれてきた王家の証が刻まれた玉璽箱・・・。」
(´・ω・`)「ぎょくじばこ?」
ラドレイ「メディア王家の過去の栄光を象徴するものなので十分に価値はあると思います。・・・しかし」
(´・ω・`)「?」
ラドレイ「実はここへと運んでくる途中、南部の放浪盗賊によって馬車が襲われ盗まれてしまったんですよ・・・。高原三叉路(さんさろ)で経緯を調べてもらえますか・・・?」
(*‘ω‘ *)「おっちぇー!」
(´・ω・`)「あっら~」
テオ・ダンゴ「はっ、ネルダ様から送られてきた方ですね・・・!うぅ・・・貨物を盗まれて面目ありませぬ・・・」
(´・ω・`)「ミスは誰にでもあるって。それで?玉璽箱は無事?」
テオ「玉璽箱・・・?そんなものが積んであったのですか・・・?うぅ、すいません。数多くのものが積んであったので・・・把握しきれず・・・」
(´・ω・`)「いいわ。取ってくる。」
テオ「え・・・え!?まさかお一人であの放浪盗賊のところへ突っ込むのですか!!?」
(´・ω・`)「・・・ふっふっふ。まかせたまえ。君の前にいるのは、この大陸最強の冒険者なのだから・・・」
テオ「な・・・なんですって・・・」
そして放浪盗賊の巣窟に潜り討伐していると闇の精霊ちゃんが話しかけてきた。
闇の精霊「おい、感じるか・・・?この黒いオーラ。」
(´・ω・`)「ん。ちょっとね。この盗賊たち、何か強いとおもったら、このオーラのせい?」
闇の精霊「そうだろう。極めて人工的なオーラだ。これには覚えがある。イレズラの力だ。」
(´・ω・`)「まじか。」
闇の精霊「イレズラのやつ、コイツラに力を分けていたな・・・?しかし困ったな」
(´・ω・`)「?」
闇の精霊「こう、どこにでもアイツのオーラを持ったやつがいると、本体がどこにいるのかわからなくなる。」
(´・ω・`)「あなたが全部吸収しちゃいなさいよ。」
闇の精霊「は?やなこった。あんなもん食ったら腹を壊しそうだ。人間だって傷んだ食い物はくわないだろ?オレも同じだ。」
(´・ω・`)「ふぅん」
闇の精霊「まぁ、大分片付いたがな。しかし、あそこにどでかいのが残ってる。放浪盗賊のボスだ。フフ、オマエの探しものはアイツが持ってるようだな。」
(*‘ω‘ *)「叩きのめしてくるでやんす!」
さてさて、今日はこのへんで!
また次回をおたのしみに(*´ω`*)