PART.73 次なる旅へ・・・!
闇の精霊を倒したエルちゃん。応援に来たシュラウド騎士団隊長のサルマさんと、タリフ村の村長アーホンさんによって、マウディは捕まったのだった。
サルマ「エルさん!!!」
(*‘ω‘ *)「にへ。こいつの思惑は全て封じたのだ」
サルマ「ありがとうございます!本当に!あなたがメディアを救ったのです!!」
アーホン「あなたが闇の精霊に負けていたら、メディアはまた三日間の闇に覆われていたかも知れません・・・。あなたの貢献は計り知れないです。」
サルマ「本当に。これでイレズラの計画を阻止することが出来ました。騎士団が魔女と戦い始めてから、これが初めての勝利だと言えるでしょう!」
(*‘ω‘ *)「にっへぇ」
サルマ「私はあなたを誤解していましたね。最初は申し訳ありませんでした。」
(*‘ω‘ *)「いいっていいって。メディアを思ってのことだったろうしね!」
サルマ「ありがとうございます・・・!エルさん、バリーズ王子様があなたにお礼をしたいとおっしゃっていました!向かってください!」
(⌒▽⌒)「いえあっ」
それはそれとして・・・
闇の精霊「あいたたた、頭が痛い~。」
(´・ω・`)「あんた・・・」
闇の精霊「・・・なんだ?ん?記憶が飛んだのだが。何があったんだ?どうした?なんでそんな怒ってる?」
(´・ω・`)「・・・こいつ。」
とりあえず闇の精霊は弱体化した様子なので、むかつくけどひとまずは放っといて、バリーズ王子のところへ向かうのであった。
バリーズ3世「エル・・・来たか」
(*‘ω‘ *)「おいすーっ」
バリーズ3世「ふふ、君がマウディの計画を阻止したということは聞いている。メディアを代表し、感謝申し上げる。」
(*‘ω‘ *)「よゆーですエルちゃん、すーぱーえりーとなんで」
バリーズ3世「はははっ、エル。君の顔を記憶するとしよう。王になった暁には、君に貴重な金(きん)を与えることも約束する。」
(⌒▽⌒)「やったぜ」
バリーズ3世「さて、僕はしばらくバレンシアへ行くことになったよ。そこで王になるための教育を受け、正しく民を導ける者となるんだ。もちろんそこでも、僕は君への感謝を忘れないよ。」
(*‘ω‘ *)「ふっふっふ。立派な王様になるのですよ!」
シラレ「冒険者・・・いや、エルよ。」
(*‘ω‘ *)「?」
シラレ「あなたの旅はまだ終わっていません。予言に定められた運命は変わることはありませんから。」
(*‘ω‘ *)「ほむ」
シラレ「イレズラはまだ存在し、動いています。黒い太陽は再度私達の前に現れるでしょう。もう一つ、予言の言葉を伝えます。」
(*‘ω‘ *)「なんとっ」
シラレ「・・・イレズラはバレンシアにいる。あの黒い砂漠の予言の地に・・・。」
(´・ω・`)「黒い砂漠・・・?」
シラレ「バレンシアの砂漠のことです。そこであなたはまた大いなる試練に立ち向かわなければならないでしょう。しかし必ず、あなたは勝利をおさめることを信じてください。」
(*‘ω‘ *)「あたりまえです。エルちゃんは選ばれし最強の冒険者なのですから!!!」
シラレ「ふふ、それでは、お元気で。」
闇の精霊「おーい」
(´・ω・`)「・・・」
闇の精霊「おーい!!!」
(´・ω・`)「何ようるさいわねぇ」
闇の精霊「なんで返事しないんだ?ずいぶん偉くなったな~!」
(´・ω・`)(こんにゃろぉ)
闇の精霊「まぁいいさ。バレンシア。いい響きじゃないか。オマエはイレズラを倒さなければならない。行こう!アルティノの関所に行ってバレンシアへの道を聞こうじゃないか!」
(´・ω・`)「あんたやけに張り切ってるわね。なにかあるの?」
闇の精霊「ん?オレはいつもこんな感じだったろう?ククク」
(´・ω・`)(コイツがテンション高いとなーんか怪しいんだよなぁ)
そしてアルティノの関所にやってきたエルちゃん。
アリバー「やぁどうも。この道を抜けると、バレンシア領に繋がります」
(*‘ω‘ *)「ありあと」
アリバー「とと、これはメディアを救ったエル様じゃないですか。」
(*‘ω‘ *)「にへ。ばれた?」
アリバー「もちろんです。そんなあなたですから、興味深い情報を一つ提供しましょうか。」
(*‘ω‘ *)「お?」
アリバー「いえね、中身はわからないんですけど、とても貴重なものをある商団がバレンシアに運んでいるんですよ。」
(*‘ω‘ *)「貴重なもの?」
アリバー「どうやら、海を渡ってきた珍奇なもののようですが、一体何でしょうね。」
(*‘ω‘ *)「さぁなんだろうね~財宝かな?むふふ」
アリバー「そうそう、それでですね、その商団が護衛をするための傭兵を募集しているらしいですよ?あなたほどの腕があれば、楽に仕事につけるんじゃないですか?」
(*‘ω‘ *)「おぉー働き口はほしいね。名を馳せるために」
アリバー「はははっ、さすがだ。それでは向こうに岩石警戒所があるから聞いてみてください」
さてさて、今日はここまで!
メディアを闇の力から救ったエルちゃんに、この後どんな旅が待ち受けているのでしょう!!!
レッツゴーバレンシア!!!(⌒▽⌒)
PART.72 闇の精霊の裏切り、そしてもう一つの・・・。
エル「いた・・・」
マウディはメディア城の前にロバと一緒に立っていた。私が来るのを待っていたかのようにこちらを見ながら手を広げて言う。
マウディ「ようこそ」
エル「・・・あんた何してんの?」
マウディ「フ・・・フフフ。ここまで来たことは褒めてやる。エルよ。」
以前までと口調が違う・・・。シラレの予言の『黒い影』とはやはり・・・。
マウディ「何を隠そう、私が闇の女神の祭司長だ。」
エル「闇の女神の祭司長?・・・マウディ・・・やはりお前が・・・。」
マウディ「私の策略にまんまとはまりおって。君はネルダ・シェンとバリーズ王家のことばかりに気を取られ、私のことなど一切怪しんではいなかっただろう。クク、滑稽だったぞ。彼らのために必死で奔走する君の姿はな。最終的に真相にたどり着いたようだが・・・遅すぎたな。」
エル「・・・」
マウディ「メディアは堕落した。もう闇の力でしか回復出来ない。だがこれもすべて、イレズラ様の計画。」
エル「何が目的・・・?」
マウディ「君だよ。」
エル「私・・・?」
マウディ「君が私の前に現れた瞬間に。私はこれがイレズラ様の計画だと気づいた。」
エル「何を言ってるの・・・?」
マウディ「いるんだろう?出てこい。闇の精霊」
マウディが呼びかけると、私の後ろにいた闇の精霊が彼の前に姿を現す。
エル「・・・」
闇の精霊「ヒ・・・・ヒヒヒ・・・・ヒヒヒヒヒ」
エル「ちょっと、何してるのよ。引っ込みなさい。いま忙しいの!」
しかし闇の精霊は私の話などまるで聞く様子もない。
マウディ「君と一緒にいるこの精霊を見て、ひと目で分かった。その姿が彼女たちのものとそっくりだと!」
エル「この闇の精霊が・・・?一体誰のと・・・?」
マウディ「カルティアン、そしてイレズラ様だ」
エル「カルティアン・・・?」
マウディ「はぁ・・・記憶に通じぬ者だ。何も知り得ぬまま死ぬとはげに嘆かわしい。まぁしかし、君には感謝するよ。なぜならイレズラ様の力を受け入れる器となるのだから・・・!」
エル「器?私が?そんなものになるわけ・・・!」
闇の精霊「お前の意志は関係ない」
エル「・・・は?」
マウディ「その通りだ。君は器となる運命。君を器にするために、気づかぬ振りをして印章の入った箱を盗ませたのだよ。」
エル「・・・気づいてたの・・・?」
マウディ「ははは!それほど大事なものを一介の冒険者に易易と盗まれるほど、ずさんな管理をするわけがないだろう。」
エル「あんたら・・・」
マウディ「その箱の黒い印章で闇の精霊は力を増大させる。そしてその箱にお前の力を、その魂もろとも封印させてもらおう。ま。おせっかいな自分を恨むんだな。だが、メディア王国の復活の礎となった君のことは、歴史家として覚えておくとしよう。」
闇の精霊「ヒ・・・ヒヒヒ・・・・グヒヒヒヒ!!」
闇の精霊よ・・・黒い太陽を呼び出せ・・・!!!
大いなる闇の力だろうか。先程まで明るかった空が急に黒ずむ。
闇の精霊「グヒョ・・・グキキ!!グオォォオオ!!!」
闇の精霊が力を増す。
マウディ「やれ。闇の精霊!」
闇の精霊は、二つの角を生やした大きな黒い化け物へと姿を変えた。
闇の精霊「グギ・・・・・ギ、ギヘ・・・・グ・・・グフフ!!」
エル「あんた、ついに裏切ったわね」
闇の精霊「・・・もうオレはオマエより強い。強いものが弱いものを治める。ならばオマエはオレに従うべきだろう。」
エル「八つ裂きにしてやるわ。今まで私のことを散々馬鹿にした付けを払ってもらうんだから!」
闇の精霊「・・・もはやオマエを相手にする意味はない。」
エル「なに・・・?」
闇の精霊「今この時、闇こそが世界を支配する。オマエの存在など、取るに足らない。」
闇の精霊は闇を生み出す。無数の闇のオーラがあたりに広がる。
そのオーラは一つ一つが邪悪と憎悪に満ち溢れているようだ
闇の精霊「闇に呑まれろ・・・」
エル「な・・・・っ!!?」
その時、世界はその姿を変えた。
・・・・・・
・・・
そこには何もなかった。
楽しさも、苦しみも、喜びも、哀しみも、希望も、絶望も。
世界は空虚だった。ただ真っ白で、光も闇もなかった。
小さな姿をした闇の精霊が目の前にちょこんと現れる。
久々に見る姿だ。彼は甲高い声でこう言う。
「これはお前が望んだ世界」
望んだ・・・?この真っ白い世界を?
「空白の世界を。世の終わりを。」
・・・なにを・・・!そんなわけが・・・!
「いいや。お前は望んだ。だからオレと契約した。」
別の闇の精霊が現れる。
「最初に言ったはずだ。契約をした時に。オマエは最後、闇にのまれなければならないと。」
また別の闇の精霊が現れる。
「そのためにオレはオマエに力を与えたはずだ。」
・・・なぜ私は力を欲した・・・?
「この世界を壊すために。苦しみ。痛み。憎しみ。それら全てを無きものとするために。」
「人は愚かだ。人よりも強くなろうとし、賢くなろうとし、偉くなろうとする。そうして人はお互いに敵対し、争い、殺し合う。」
「オマエはその人の愚かさに抗おうとした。世界に平和を。愛を。希望をもたらそうとした。」
「しかしどうだ?お前が得ている平和は、誰かの苦しみの上にある。お前が求めた愛は、誰かの諦めの上にある。お前が抱いた希望は、誰かの絶望の上にある。」
光がある所に、闇はある。闇は消えることはない。
ならば壊せばいい。すべてを失くせばいい。世界を滅ぼせばいい。
殺せ。消せ。失くせ。滅ぼせ。人を。秩序を。世界を。
お前にはその力がある。それがお前の望んだ力。お前がすべてを失くせば、世界にはもう苦しみはなくなる。
「ケラケラケラケラケラ」
「ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ」
さぁ!力を取れ。この世界を終わらせる力を・・・。
ーーーーーーーー聞かないで!!
誰かの声がする。
「聞かないで!!!!」
エル「・・・妖精ちゃん!」
妖精「よかった、戻ってこれた」
エル「あのやろう・・・精神攻撃してきやがって・・・。」
妖精「アイツはあなたの精神を飲み込もうとしている。決してもっていかれてはだめ!」
エル「・・・うん」
闇の精霊「ケラケラケラケラ!!!何も知らない冒険者。何も知らないのに。なぜ多くの人を、種族をコロシタ?自分の記憶のために?グクク!!!オマエに正義はあるのか?」
エル「・・・」
妖精「エルちゃん。あいつの言葉に惑わされちゃだめ・・・!!」
闇の精霊「現実から目をそらすか?それがオマエの決断か?信念もなにもないのに、力を振りかざして多くの物の命を奪った?それなら、オマエは闇そのものだ。」
エル「いいえ。」
闇の精霊「ではオマエは何だと言うんだ?」
妖精「だめ!!闇と分かりあえることなんてない!!話に付き合ってはだめなの!!」
闇の精霊「確立してみせろ。お前の立場を。お前の正義を。」
・・・
エル「何度もいいますが。」
闇の精霊「・・・?」
エル「私は燦然と輝く光です。」
妖精「・・・これはいけない・・・。」
闇の精霊「光・・・?お前のどこが。」
エル「もし仮に、私が闇だとしても・・・」
闇の精霊「・・・?」
エル「私は燦然と輝く光そのものです。」
闇の精霊「・・・???」
妖精「まって?」
闇の精霊「・・・闇だったら・・・・・・闇だろ・・・?」
エル「・・・」
妖精「・・・・・・」
闇の精霊「・・・・・・・・・????」
( ゚д゚)「うるせぇんじゃこら収集つかねぇだろシネェエエエエエエエエ!!!!!」
ボゴオオオオオ!!!!!ドゴドゴ!!!ボゴグサグリュ!!!!
闇の精霊「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!!!!!」
妖精「うわああああああああああああああああああ!!!!」
ちーん。
妖精「・・・」
(*‘ω‘ *)「・・・いやね?違うのよ」
妖精「どうしてそういうことしちゃうのかな?」
(*‘ω‘ *)「・・・」
妖精「ねぇエルちゃん。もうこういうこと二度としないって約束したよね?最初の方頑張ってたじゃない。カメラの映像加工とかしてさ。私知ってるのよ?一生懸命仕事しながらどういう物語展開で闇落ちしかけるエルちゃんが描けるかなとか考えてたよね?なんで最後の最後で諦めるの?ねぇ。これだと、私が出た時はネタ回みたいに読者の皆様に覚えられちゃうよね?まぁでもそれはいいの。別に怒ってるわけじゃないのよ?これからのエルちゃん、それでいいのかっていうことを聞いてるの。まとめ方がわからないからってこういう強引な締め方はどうかと思うの。あのさ、そうやって逃げてばっかりじゃいつまでたっても」
( ゚д゚)「うるせぇばーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
続く(⌒▽⌒)
PART.71 行方をくらましたマウディ
黒い太陽の印章のことをマウディ・ブダールに追及しようとしたエルちゃん。しかし、いつもネルダおじさんと一緒にいる彼の姿がそこにはなかったのだ・・・!
(*‘ω‘ *)「あれ?マウディさんは?」
ネルダ「あぁ、おかえりエル殿。マウディ?ううむ、普段はここにいることが多いが、今日は不在のようだね。バリーズ王子ならなにか知っているかな・・・?」
(*‘ω‘ *)「きいてみゆ」
バリーズ3世「ん?マウディか?彼なら急用が出来たとかなんとかいってアルティノの外に出たと思うが。」
(´・ω・`)「まじすか」
バリーズ3世「なんで君がマウディの行方を追っているんだ?」
(´・ω・`)「これ・・・」
黒い太陽の印章の描かれた箱を見せる。
バリーズ3世「!?・・・これは・・・野蛮族秘密結社の証!!」
(´・ω・`)「知ってたんだ?」
バリーズ3世「知ってるさ・・・。忘れもしない。三日間の闇が訪れた時、僕達を襲撃した者共の手のひらにこの印章があったんだ!・・・それで?これをどこで・・・?」
(´・ω・`)「いやね?マウディがこれを大事そうに隠し持ってたん。」
バリーズ3世「な・・・なんだと・・・まさか、マウディは野蛮族と繋がりが・・・!?」
(´・ω・`)「どうなんでしょ?そうなのかしら」
バリーズ3世「三日間の闇がメディアを覆った時・・・僕はシラレと王宮の中の図書館にいた・・・。闇が侵食し、メディアの王城が燃えてしまった・・・。僕とシラレはどうにか逃げようとしたが、行く先は瓦礫で行き止まりになっていたんだ。」
(´・ω・`)「ほむ?」
バリーズ3世「しばらくそこで隠れていたが、イレズラの手下どもが僕たちを見つけて襲いかかろうとしてきた。幸いにも、そこにサルマが来て僕たちを助けてくれたんだ。」
闇の精霊「へぇ・・・あのサルマがねぇ。王子様を救った英雄じゃないか、クク」
バリーズ3世「私は彼女の背中におぶられながら、燃えるメディア城を眺めていた・・・。そして門に架かっていた・・・お父様とお母様の・・・うっ・・・」
(´・ω・`)「それ以上話す必要はないわ」
バリーズ3世「済まないな・・・エルよ。時々思い出してしまう・・・。忘れたいのに忘れられないのだ・・・。いつまでも子供のままではいられないのに・・・。」
(´・ω・`)「忘れる必要はないと思う。あなたの記憶の中に、しっかり覚えていて上げてほしい」
バリーズ3世「ふふ、年端も行かない君のようなものに励まされるとはね」
(´・ω・`)(あんたも同じくらいの歳でしょうに・・・。)
バリーズ3世「さて・・・それでこれをマウディが・・・。大事そうに隠し持っていたと・・・?」
(´・ω・`)「うん。確かに。」
バリーズ3世「私は勘違いしていたかもしれないな。シラレの予言の『黒い影』・・・あれはネルダのことかと思っていた・・・。しかし・・・もしかしたらマウディが・・・。エルよ。マウディを追って真相を確かめてきてほしい」
(*‘ω‘ *)「りょ」
(*‘ω‘ *)「マウディどこいった?」
メイシャ「ん???なんだって???」
(*‘ω‘ *)「マウディ」
メイシャ「???」
( ゚д゚)「マウディどこ行ったの!!!!」
メイシャ「まうでぃ・・・?あぁ、ブダール様かぁ。すまんねぇ。幼い時、馬に耳を蹴られて、うまく聞き取れないんだ。」
(´・ω・`)「あらそうなん。」
メイシャ「向こうの方に行ったよ。なんだか慌てた様子で出かけていったな。あれは何だったんだろうなぁ」
(*‘ω‘ *)「ありがとう!そんじゃね!」
メイシャ「うむ、いってらっしゃい!いつでも戻ってくるのだよ」
(*‘ω‘ *)「ふぁーいっ」
そして警戒の鐘と言われている場所で聞き取り調査(⌒▽⌒)
ベルド「んぉ~~?これはこれは、ネルダんとこの嬢ちゃんじゃねぇか。たしか労働者たちの手伝いをしてくれたんだっけ?その節はどうもなぁ。それで?急にこんな所に来てどうしたんだ?」
(*‘ω‘ *)「マウディ探してるんだけど。」
ベルド「マウディ・ブダール?なんでまた。」
(*‘ω‘ *)「あの人、もしかしたらイレズラと組んでるかもしれない」
ベルド「なんだと・・・?それは本当か!?・・・それは信じがたいが・・・。」
(*‘ω‘ *)「うん、だから真相を確かめるためにいま追っているのだ。」
ベルド「そういうことか。ブダールなら海辺の道に沿って上っていった。・・・しかし・・・本当にイレズラと・・・?」
(*‘ω‘ *)「そうかも。」
ベルド「ネルダ商団の嬢ちゃんだ。それに私ら労働者の味方でもある。君を信じよう。よし。こういうときのためにこの鐘はあるんだ。他のものにも知らせよう。マウディのことを、よろしく頼む・・・!!」
(⌒▽⌒)「あいよーっ!」
ゴーーーーーーン・・・ゴーーーーーーーーン
警戒の鐘が鳴り渡る。エルちゃんたちはマウディを追う!
アディッシュ「お待ちしておりました!エル様!」
(*‘ω‘ *)「おっす」
アディッシュ「私はシュラウド騎士団のアディッシュであります。警戒の鐘がなり、私の方へも伝書鳩がやってきて事の次第を知りました。」
(*‘ω‘ *)「それで?マウディみた?」
アディッシュ「海辺から、渡し船を使いメディア城へ向かったと思われます!」
(*‘ω‘ *)「ほほぉ。ありがとん!」
アディッシュ「あの急ぎよう・・・なにか企んでいるかも知れません。幸いこの近くにサルマ隊長の基地があります。私はそこへいき、応援を呼んできます。エル様はマウディを追っていただけますか!」
(*‘ω‘ *)「りょかい!」
そしていよいよ、メディア城へ!
マウディ~~~!!!絶対に悪さはさせないからな~~!!!
つづく(*‘ω‘ *)
PART.70 黒い太陽の印章が意味すること
(*‘ω‘ *)にひ。
(*‘ω‘ *)にひひひひ。
スッ・・・
マウディ「ん?エル殿、どうかしたかな?」
(*‘ω‘ *)「なんでもないお」
・・・
闇の精霊「ック、やっぱり手際が良いな。オマエ冒険者じゃなくて盗みで生計を立てるのもいいんじゃないか?」
(´・ω・`)「馬鹿言わないで。それで・・・これなに?」
マウディから盗んだものは、固く閉ざされた箱。
闇の精霊「どうにかして開けられないかちょっと奴に聞いてみるか。」
デウェ「ご心配事もお預かりする、倉庫番のデウェです♪」
(*‘ω‘ *)「ちゃお。おひさ!」
デウェ「あっら~♪みたわよ?あの闘技場の戦い!ほんと、すごい冒険者さんだったのねぇ♪あ・な・た♪」
(´・ω・`)「これ開かないんだけど。」
デウェ「んうーん?わたくしも開け方が詳しいわけではないですからねぇ♪お?でもこれは野蛮族の印ではないですかぁ?」
(´・ω・`)「まじですか」
デウェ「野蛮族の呪術に閉じられた呪われた箱ですねぇ♪まっ、まさか、それをうちに預けるおつもりですのん??ちょ、ちょっとそれは気が引けるわぁ♪」
(´・ω・`)「いやぁ、これ開けたいなぁって。」
デウェ「解錠のことだったらスレーシって人を紹介するわ♪兵の墓というところに派遣されたはずだから、行ってみてぇ♪」
スレーシ「む・・・これは・・・」
(*‘ω‘ *)「どぉ?」
スレーシ「呪われた箱ですね・・・この錠前、ただの金属で作られているわけではありません。骸骨たちの骨とともに恨みによって施錠されている。」
(*‘ω‘ *)「ほぉ・・・」
スレーシ「ここの骸骨たちは昔の戦争の犠牲者たちなのですが、三日間の闇があった時に、蘇って動き始めたのですよ。・・・この鍵を解くためには、彼らの呪いを解かなければなりません・・・。」
(⌒▽⌒)「解放?」
スレーシ「はい、彼らを永遠の苦しみから、解放してください」
(⌒▽⌒)「よかろう」
ボゴォー!!!ドッシャ~~~!!!
(⌒▽⌒)「アハハハハハハハハハハハハハ。たーのしーっ!」
闇の精霊「楽しそうな所悪いが、こんなやつらいくら倒しても呪いは解けないぞ。」
(´・ω・`)「なによ」
闇の精霊「あそこに凝縮された呪いの執念体のような存在がいる。奴を倒すのが手っ取り早いだろう。」
骸骨王「カカカカカカカカカ」
(*‘ω‘ *)「でけぇ~」
骸骨王「カカカカカカカカカカカ!!!」
かわいそうに、恨みの中で死に絶え、イレズラの闇の力によって無理やり起こされた魂たち・・・。
(*‘ω‘ *)「うおおぉぉおお!!!解放解放解放解放解放解放!!!!!」
今こそ!!!解放せし時!!!!!
( ˘ω˘)「お眠りなさい」
ガチャ・・・
(´・ω・`)「お・・・箱が空きそう」
闇の精霊「お・・・ふふふ!なんだ?これは・・・すごいオーラだ・・・!」
(´・ω・`)「???」
闇の精霊「そ、それをどけてくれ、いや、見せてくれ・・・!いや・・・!どけてくれ・・・!ぐふふ、これはやばいな」
(´・ω・`)「何いってんの?」
闇の精霊「ク・・・何もわからないやつ。タリフ村の村長のところに戻ろう。彼女なら何かわかるだろうから。ク・・・クヒ・・・君の闇とは比べ物にならないくらいの、巨大な闇に会う準備をしたほうがいいだろう・・・クヒヒヒ、ついに・・・」
(´・ω・`)「何こいつさっきからきもいわねぇ・・・。」
アーホン「え・・・この印章は・・・」
箱には黒い太陽の印章が施されている。
(´・ω・`)「?・・・みたことあります?」
アーホン「い、いえ。私も初めて見るものです」
(´・ω・`)「?」
アーホン「気持ちの悪いオーラですね・・・闇の精霊とはまた違う・・・。これを知っている者がいるかもしれません。聞いてみてもらえますか?」
ボレロ「この印章・・・確か、イレズラの手下がもっていたような・・・」
(´・ω・`)「イレズラの手下?」
闇の精霊「面白い、面白いな!なぜそんなものをあの歴史家が持っていた!?メディアを襲撃したイレズラの手下が持っていた呪われた箱!黒い太陽の印章!」
(´・ω・`)「この箱を持つ意味って・・・?」
ボレロ「どこで手に入れたかは知らないけど、それは野蛮族と行動を共にするという決死の契を結ぶものだ。」
黒い女神が帰ってくる 黒い女神が帰ってくる
空の太陽が黒くなったあの日 私達の手は空に向かい
過去の支配者が床を這う あそこに死が這う
大人も子供結局みんな死ぬ あそこに死が這う
あなたの絶望の名は私の希望だ 私の希望の名はあなたの絶望だ
野蛮族たちが歌っていた歌だ。「空の太陽が黒くなった」。これが三日間の闇を表しているなら、この黒い太陽の印章はそれを象徴している?
しかし・・・単なる歴史家のマウディがなぜこれを・・・?マウディが、メディアを滅亡に追い込もうとしている・・・!?
闇の精霊「マウディのところへいこう。これを見せた時、アイツがどういう顔をするのか楽しみだ!」
続く(*´∀`*)
PART.69 え?マウディさん・・・?
ソサン族たちを葬り去ったエルちゃん。倒していると何やら指令書らしきものを発見した!これをもってサルマさんのところへ戻るのです!
サルマ「ありがとうございます!やはり、あなたの力はすごいですね。」
(*‘ω‘ *)「自分の可能性が怖いわ」
サルマ「それにしても・・・このソサンが持っていた装備・・・野蛮族の物と似ていますね・・・」
(*‘ω‘ *)「ほ?」
サルマ「なぜ人であるソサン族が野蛮族の装備を・・・?うーん・・・」
(*‘ω‘ *)「背後に何かがあるのかしら・・・?こんな物を拾ったけど。」
指令書を渡す。
サルマ「!!?・・・これは・・・!ソサン族たちが野蛮族と交換した密書です!野蛮族の傭兵たちと条約を結んでいる・・・!?」
(*‘ω‘ *)「ちゅまり?」
サルマ「野蛮族は、ソサン族と力を合わせてアルティノを転覆させようとしているのです・・・」
( ゚д゚)「な・・・!」
( ゚д゚)なんだって~~~~!!!
サルマ「ふざけた顔をしている場合ではありません!このことを早くネルダに伝えてください!」
(●`ε´●)「はーいっ」
サルマ「・・・もし仮に、仮にですが・・・。ネルダがこの事実を知っても野蛮族傭兵たちを静観しようとするなら・・・、ネルダはやはり王家の没落を望んで・・・」
(´・ω・`)「とりあえず言ってくるよ。」
ネルダ「手紙・・・?ふむ、いい匂いだな。どこかで嗅いだおぼえがある」
(´・ω・`)「サルマさんからです。密書を手に入れたという旨が・・・。」
ネルダ「読んでみよう・・・。・・・なんだって・・・!?野蛮族がソサン族と条約を・・・!?」
(´・ω・`)「そうらしいです」
ネルダ「う・・・うーむ・・・。私が楽観的に考えすぎていたのか・・・。しかし・・・いまさら野蛮族の傭兵たちを追い出すわけには行かない・・・カルフェオンとバレンシアがメディアを狙っている以上、自衛のための軍事力は必要なのだ・・・。」
(´・ω・`)「ほむ」
ネルダ「取引所長のルーシーに伝えてくれ、サルマ砦基地に送る物資を増やすようにと・・・。彼女がソサン族を抑えることができれば、野蛮族は私達がなんとかできるはずだ・・・!」
ルーシー「お久しぶりです、エル様。どうかなさいましたか?」
(´・ω・`)「あんねぇ。ネルおじがサルマ砦基地に送る物資の量を増やすようにってさー」
ルーシー「な・・・なんですって・・・!?ネルダ・シェン様・・・どうしてしまったのでしょう。あの女にそれほど手助けをするなど・・・。」
(´・ω・`)「さぁ」
ルーシー「・・・人々が噂してるんですよ・・・ネルダ様がサルマ・アニンに好意を寄せていると・・・!」
( ゚д゚)「まじ!!?」
っていうか、さっきネルダが「いい匂いだなぁ~むふぅん」とか気持ち悪いこと言ってたな!そういうことだったのか!?
ルーシー「ネルダ様は家族を持たないので、メディアを再建しても誰をも王に立てることなどせず、そのまま退任するとおっしゃっていました・・・。しかしもしサルマとそういう関係になって子供が生まれたりしたら事情が変わってくる・・・。うぅん・・・ネルダ様は懸命な方なので、そういうことは無いとは思いたいのですが・・・。」
(´・ω・`)「わかんないよぉ?恋したら人間180度かわるものさ」
ルーシー「はぁ・・・まぁとりあえず、今は言われたとおりに致しましょう。装備の数が足りませんので、メボのところに行ってもらえますか?あなたが最初に話しかけた鍛冶屋の人ですよ。」
メボ「お、久しぶりだな。エルとか言ったっけ?最初は済まなかったな。なんかイライラしててよ。」
(*‘ω‘ *)「大丈夫よ。何でも自分のせいにされるのは気持ちのいいものではないものねー。」
メボ「はは、すまないな。それで?何かようか?」
ルーシーからもらった装備製作発注書を渡す。
メボ「うお・・・こんなにたくさん・・・?なんだ、ネルダ様はカルフェオンと戦争でもする気なのか?うーん・・・」
(*‘ω‘ *)「大丈夫?用意できそう?」
メボ「出来はするんだが・・・そうだなぁ、今やっている作業を一端ストップしないとだめだな。野蛮族の隊長のところに行って、武器製作が遅れることを伝えてくれるか?」
野蛮族隊長「む・・・オマエ、ネルダの・・・。何用だ?」
(´・ω・`)「武器製作遅れるって」
野蛮族隊長「何!?メボめ!ふざけた奴!約束と違う!!」
(´・ω・`)「しょうがないじゃんネルダの指示なんだから。」
野蛮族隊長「うぐぐ・・・。オマエ、マウディ様知ってるか?」
(´・ω・`)「マウディ?歴史家の?知ってるけど。」
野蛮族隊長「マウディ様に武器製作が少し遅れると伝えてくれ。オレよりオマエが言ったほうが丸く収まる。」
(´・ω・`)「・・・はぁ。」
・・・
(´・ω・`)「んー・・・?」
闇の精霊「変だよな」
(´・ω・`)「変。なんで野蛮族の奴ら、ネルダは呼び捨てなのにマウディには敬称?」
闇の精霊「しかも、サルマの補給物資の話なんてネルダから直接聞いてもいいはずだろ。しかしそれをネルダがしないってことは、マウディはネルダに黙って野蛮族の装備を調達しようとしていた・・・?」
(´・ω・`)「っていうか野蛮族とマウディってそんな仲良かったっけ?」
闇の精霊「とりあえずマウディにあってみるか。」
・・・
マウディ「これはこれはエル殿。む?野蛮族から武器製作が遅くなると言われた?まったく・・・」
(´・ω・`)「なんで野蛮族の戦力増強しようとしてるのん?」
マウディ「ん?あぁ、いやね、バレンシアに王子を亡命させる計画がうまく進んでいてね。その時に使う傭兵のための装備を注文していたのだよ。」
(´・ω・`)「ほー、なるほろ」
マウディ「こういう話は、あまりネルダに知らせるのもよくないだろう。彼は別に王子をどうしようとも思っていないと言っているんだから。」
(´・ω・`)「ほぉん」
・・・
闇の精霊「クク・・・ククク、怪しいな、アイツ。オマエと話してるときも落ち着きなさそうに後ろのポケットを手で押さえていたぞ?」
(´・ω・`)「・・・なんだろうねぇ」
闇の精霊「アイツ、古代遺跡のところにいたってエダンが言ってただろう。何か高値のものを見つけてこっそり持ち帰ったんじゃないのか?そして、それを隠すためにバレンシアに旅立とうとでもしてるのかもな。」
(´・ω・`)「どうする?」
闇の精霊「盗めばいいだろう?クク。オマエ、エマが悪夢に悩まされてる時、クロン城に入って参謀長から何か盗んでただろ?それをまたやればいい。大丈夫だ。オマエはこそ泥の才能はある。」
(´・ω・`)「褒めてるのかけなしてるのか・・・。」
つづく!
PART.68 名探偵エルちゃんがゆく!!
とぅるとぅーるー♪ とぅるとぅーるーとぅっとぅー♪
とぅるとぅるとぅーとぅるとぅーるーとぅっとぅー♪(某名探偵のテーマ)
そう。事件はここアルティノで起こった。
アルティノを代表する「アルティノ旅館」にて、メディア兵の隊長シュルツが毒殺されてしまったのだ・・・!
私は犯人に迫るべく、アルティノ旅館のオーナー
マリアム
そして料理人の
ブロマン
彼らに聞き取り調査を行った!
殺されたシュルツはマリアムが密かに好意を寄せていた人らしい。
彼が殺されたのは痴情のもつれか。はたまた誰かの陰謀か。
果たして真犯人は誰なのか・・・!!
必ず見つけ出す・・・!!
「真実は、いつもひとつ!!」
とぅるとぅっとぅっとぅっとぅっとぅっとぅっとぅっとぅ、ジャァーン♪
闇の精霊「何やってんだコイツら」
・・・
ブロマン「シュルツがどんな人だったかって?うーん、けして悪い性格ではなかったですよ、少し好戦的でしたがね。大きな体をしたジャイアントでした。歯に衣着せぬ物言いだったので、他のお客さんと時々揉めたりとかもありましたね。結構あの人を苦手だって人もいましたけど、案外話してみると結構単純で気の置けない人でしたよ。」
(*‘ω‘ *)「ほほぉ、結構親しげなのですね」
ブロマン「私とオーナーは彼とすごく親しかったですよ、彼は本当によくこの場所に来ましたから。特にオーナーの作る酒が彼は好きでしたね。」
(*‘ω‘ *)「あの日、シュルツは何か変なところとかありませんでした?」
ブロマン「うーん・・・変な所・・・まぁ先程も言ったとおり、良いことがあったのか楽しそうに笑いながら入ってきたぐらいですかね。まぁそんなに珍しいことでも無いですね。」
(*‘ω‘ *)「彼の興味とかはあるのですかね」
ブロマン「彼はそれはそれは酒が好きだった。一種の通とでも言うんでしょうかね。珍しい酒があれば彼は絶対に飲まないと気がすまないようでした。本当に大酒飲みでしたが酔っ払って暴れたりとかそういうことはありませんでしたね。」
(*‘ω‘ *)「ふぅーん」
ふと棚の上にあるワインボトルに目を向ける。
(*‘ω‘ *)「あれれぇ~?おかしいぞぉ~?」
ブロマン「どうかしましたか・・・?」
(*‘ω‘ *)「これ、ワインに名前が入ってないってことはマリアムさんが作ったやつ?」
ブロマン「えぇ、そのはずですが。」
(*‘ω‘ *)「みて?コルク栓の根本がひび割れてる。」
ブロマン「本当ですね・・・誰かがコルクを抜いて、再び挿し直した・・・?」
(*‘ω‘ *)「ふむ・・・」
椅子の下に溝がある・・・。
(*‘ω‘ *)「なんだろうこれ」
闇の精霊「シュルツが座ってた痕跡があるな。毒で急に苦しくなって身悶えした時にできた溝かね」
(*‘ω‘ *)「なるほど?」
(*‘ω‘ *)「うん、後ろの樽も粉々ね」
闇の精霊「そこまで古いものじゃない。強い力が加わって壊れたようだな。」
(*‘ω‘ *)「・・・まって・・・!」
目を凝らしてみないとわからないけど、緑色の液体が・・・!
(*‘ω‘ *)「ペロ・・・」
( ゚д゚)「これは・・・青酸カリ!!?」
闇の精霊「何バカな事言ってるんだ?」
ブロマン「そうです。その樽に入ってた酒をシュルツに出したのですよ・・・。え!?毒があった!?」
(*‘ω‘ *)「舐めたら死にそうになったんで多分これ毒です」
ブロマン「・・・あなたは・・・。さて、毒ですか、それについてはネルロプルが詳しいはずです。」
ネルロプル「やぁ、久しぶりだね。え・・・?毒かい?」
・・・
ネルロプル「これがシュルツを殺めた毒・・・これは面白いことになってきた。岩穴蜘蛛の毒だ」
(*‘ω‘ *)「岩穴蜘蛛?」
ネルロプル「ソサン地域でのみ生息する蜘蛛でね。本来は簡単に蒸発しちゃうから扱いやすいものではないよ。しかしソサン地域の暗殺者たちは特別な加工法でこの毒を使っていると聞いたことがある・・・。」
闇の精霊「ふぅん。じゃぁアルティノの人間が殺したわけじゃないのかね。ネルダのところに行ってみるか?」
(*‘ω‘ *)「うん。そうしよう」
ネルダ「・・・それが本当なら、シュルツを殺したのは彼の部下たちかもしれないな。」
(*‘ω‘ *)「部下が・・・なぜ?」
ネルダ「言うことを聞くといっても、ソサン兵たちの中には略奪を好むような野蛮な者もいたのだ。シュルツがソサン兵を指揮して、規律ある軍隊のような集団になるのを嫌がったのだろう。」
(´・ω・`)「ほっへぇ。」
ネルダ「ふむ・・・やはりメディア再建のためには奴らをこのままにしてはおけんな。エル殿。」
(*‘ω‘ *)「ぽよ?」
ネルダ「サルマ砦基地へ行ってくれるか。彼らはソサン族と戦うための準備をしているはずだ。様子を見に行ってくれ。」
(*‘ω‘ *)「あいよっ!」
・・・
(´・ω・`)「結局外部の人間かぁ」
闇の精霊「なんだ、残念そうだな」
(´・ω・`)「なんか名探偵っぽく『犯人はオマエだ!!』って言いたかったのに。」
闇の精霊「はは、どうするんだ?それでネルダが真犯人だったりしたら。」
(*‘ω‘ *)「それはそれでめっちゃ面白いと思わない?」
闇の精霊「ククw確かにそうだなw時々馬鹿みたいだけどオマエのそういうところは嫌いじゃない」
(⌒▽⌒)「ははっ、よせやい」
・・・
ここがサルマ砦基地!私がシャカトゥに気に入られてゲットしたお金で建てた砦なのだ!(⌒▽⌒)感謝してほしいわね!
サルマ「あ、これは!エルさんじゃないですか!ようこそサルマ砦基地へ!」
(*‘ω‘ *)「やっほー」
サルマ「私たちの兵力に対して大きすぎる基地だと思いませんか?うーん・・・ネルダが一体何を考えてるのか、正直わからなくなってきました・・・」
(*‘ω‘ *)「やっぱりメディアのために純粋に動いてるんじゃない?しらんけど。」
サルマ「そ、そうなんですかね・・・うーん・・・。」
(*‘ω‘ *)「それで?戦況はどお?」
サルマ「うーん・・・あまりよろしくはないですね・・・。そこで折り入って頼みがあるのですが・・・。」
(*‘ω‘ *)「ん?」
サルマ「闘技場の虐殺者を倒したあなたの実力なら・・・少しソサンの兵力を減らせるのではないかと・・・」
(*‘ω‘ *)「ふっふっふ、よかろう」
サルマ「ありがとうございます!!」
さてそれでは、ソサンをヒサンな目に合わせてやるのです(⌒▽⌒)
続く!
PART.67 毒殺されたシュルツ隊長
ザモ・ハサ「あなたは、ネルダ・シェン様の!どうかなさいましたか?」
(*‘ω‘ *)「あら、その情報はここまで伝わってるのね。んっとねー、黒い幻覚に悩まされてるって人たちがいるんじゃないかと思って。」
ザモ「!!・・・そ、そうです!!幻覚を見るとかいう馬鹿な奴らです!どうしてそれを知っているんですか!?ネルダ様はそこまで見抜いているのですか・・・。」
(*‘ω‘ *)「これ、お守りみたいなもんです。これがあれば闇のオーラに悩まされることは少なくなるでしょう。」
ザモ「ははーっ・・・!こんな奴らのために・・・ありがとうございます!これで奴らに言い訳はさせますまい・・・!まったく・・・あの古代遺跡専門家とかいうのにそそのかされなければこんなことにはならなかったんじゃないか・・・」
(*‘ω‘ *)「古代遺跡専門家???」
ザモ「突然現れて古代の遺物が~とか闇のオーラが~とか言い出しやがったんです。向こうにいるんで、ちょっと痛い目に合わせてやってくださいよ。」
そして遺跡の中を入っていくと・・・
(*‘ω‘ *)「あ、エダンおじさん!!」
エダン「おぉ・・・!エルじゃないか。久しぶりだね。」
(*‘ω‘ *)「おひさしぶりっち!」
エダン「ふふ、どこに行っても君とは巡り合うね。ところで、おじさんはやめてくれないか。私はこれでもまだ気持ちは若いんだ。ははは!」
(´・ω・`)「なんかテンション高いわね。闇に毒されたんじゃないの?護符余ってるから上げるわよ」
エダン「まさか!僕は闇の精霊には影響を受けにくい体質だから大丈夫のはずさ。まぁ、でもせっかくのプレゼントだ、受け取っておくことにしよう。」
(´・ω・`)「また調査してんの?」
エダン「まぁね。この古代遺跡の調査だ。ここにある遺物には闇のオーラが封印されていた様子なんだが、誰かが無理やりその力を奪い取った跡がある。」
(´・ω・`)「ほえぇー・・・また闇の力を使おうとするヤツが現れてるのね~・・・」
エダン「うむ・・・ところで、君も知ってるかな。マウディという歴史家も以前ここにいて、この遺物の価値について話し合ったことがあるんだが、他にも色々聞きたそうにしていたな。」
(*‘ω‘ *)「マウディ?あぁ、アルティノにいた歴史家のおっちゃんかぁ。なんかアルティノの王子をバレンシアに亡命させようとしてるらしいよ。そのこととかかな?」
エダン「王子を亡命・・・?あぁ~、私はそういうのは専門外だ。大人しく遺跡とにらめっこを続けることにするよ。」
(⌒▽⌒)「はーいっ。さて、私はそろそろ行くよ。もともとアルティノにいる労働者の人たちのために護符を取りに行ってたのです」
エダン「ふむ・・・もう行ってしまうのか。さびしくなるね。まぁ、なんだかんだ君とはまた会う気がするよ。それでは、お元気で。」
(●´ω`●)「ばばーいっ」
(*‘ω‘ *)「かえったおー」
ネルダ「おー!エル殿!よくぞ無事で戻ってきてくれた」
(*‘ω‘ *)「護符作ってきた。これで闇の幻覚からは解放されるかと。」
ネルダ「おぉ・・・素晴らしい・・・。これで労役場の問題も解決されるだろうな。ありがとう!これはラドレイに届けに行かせるよ。」
(●´ω`●)「あーいっ」
ネルダ「それでね、君がでかけている間、私は野蛮族の傭兵たちの様子を調べに行っていたのだが。」
(*‘ω‘ *)「どうかした?」
ネルダ「うむ・・・もしかしたらサルマが予期していたことが正しかったのかもしれん・・・。野蛮族の統制が日に日に難しくなっているのだ・・・。」
(*‘ω‘ *)「まぢか」
ネルダ「君が用意してくれた資金でなんとかサルマのために砦基地を建てはしたが、いかんせん兵が足りない。ソサン兵のような兵力があればよいのだが・・・。」
(*‘ω‘ *)「ソサン兵?」
ネルダ「昔、メディア城が三日間の闇の時に燃やされ、王国が崩壊した。そうしてかつてソサン砦を守っていた兵たちは今や盗賊の群れと成り果ててしまったのだ・・・。」
(´・ω・`)「ほよー。誰が統率してるの?その人達。」
ネルダ「シュルツ隊長だ。・・・まぁ、それも昔の話だがね。彼らはシュルツの言うことだけは聞いたから私もシュルツとの交渉には大分力を入れていたんだ。しかし、最近シュルツが何者かによって暗殺されてしまった・・・。」
(´・ω・`)「あら」
ネルダ「ソサン兵たちは我々が彼を暗殺したものだとおもって、私達に対する敵対心を更に強めてしまった。上層部では彼の暗殺は痴情のもつれが原因だとする噂もあるが、私はそうは思わない。すまないが、ソサン兵達を鎮めるためにもその背後を調べてもらうことはできるかな。」
(*‘ω‘ *)「おっちぇー!まかせんしゃい!」
ネルダ「シュルツはここアルティノに立ち寄った時、よく酒場と闘技場に足を運んだという。まずは闘技場の管理人に話を聞いてみてくれるかな。」
(*‘ω‘ *)「うぃーっ」
受付「うおー!よくぞきた!よくぞ来てくれた!!!君は闘技場の期待の星だ!!なんだい?また試合を組むかい?・・・いい相手がいるかな・・・」
(´・ω・`)「いや。ちがくて。今日はねぇ。シュルツ隊長のことを聞きたいのです。」
受付「シュルツ!?あーーー!いたなぁ!あの人も強かったなぁ。もしかしたら彼は君よりも強かったかも知れないよ?なんたってあの闘技場の虐殺者をここアルティノに捕えて連れてきた兵団の隊長だったのだから!」
(´・ω・`)「ほぉーん」
受付「しかしなぁ、女絡みの問題で旅館で暗殺されちまったのよ。虚しい終わりだよ、まったく。」
(´・ω・`)「にゃるぽこ。他に知ってることある?」
受付「そうだね。彼はなかなか豪快だったが、話も通じるいいやつだったな。彼は闘技場の帝王と呼ばれていたよ。はぁ~彼と君とを闘わせてみたかったなぁ~~~。残念だ~!」
(´・ω・`)「戦うの危険なのよ~?」
受付「ははっ、闘技場の虐殺者相手に戦った君がそんなことをいうとはね。さて、もっと彼の情報が知りたいのなら旅館に行くことだ。彼はそこで暗殺されたのだから。」
(*‘ω‘ *)「そうする。んじゃまたっ」
受付「おう!今度飯を奢らせてくれ!あのときの賭けで大分儲かったんだ!いやーまさか君が勝つなんてね。今後の活躍に期待してるよ!」
(●´ω`●)「ふふ、待っているのじゃ」
マリアム「旅館のオーナーマリアムです。ようこそ、ネルダ商団のエル様。」
(*‘ω‘ *)「シュルツ隊長の事が聞きたいのですけど。」
マリアム「シュルツさんですか・・・。あぁ、少し腹黒い人ではありましたけど、愉快な人でしたね。」
(*‘ω‘ *)「ほむほむ」
マリアム「ただ、正義感が強い人でした。酔っ払ったならず者から、私を助けてくれたこともありましたし。・・・初めてあったあなたにこんな事を言うのは変かもしれませんが、私は彼に好意を抱いていたのです・・・。もしかしたら彼もそうだったかも・・・なんて。」
闇の精霊「ドヒャヒャヒャヒャ!!!!ないない!!恋する乙女ってのはこんなふうに勘違いするものなのか!?グハ!wはた迷惑な話だな。」
(´・ω・`)「あんたひっどーい。」
マリアム「そんな彼がある日、桶と桶の間に倒れていたんですよ。私は最初いたずらだと思ったのですが・・・」
(´・ω・`)「血痕とかがなかったの?」
マリアム「えぇ・・・刺し傷などのものではありませんでしたよ。彼は毒殺されたのです。」
(´・ω・`)「ひえ」
マリアム「私とシェフのブロマンは、しばらくの間彼を毒殺した犯人だと疑われていました・・・。私は彼を失って悲しみに暮れていたというのに・・・。」
ブロマン「シュルツのことですか・・・あれからもう大分月日も経ちましたねぇ・・・。」
(*‘ω‘ *)「彼が毒殺されたときのことを詳しく聞きたいのです」
ブロマン「うーん・・・実は、詳しい経緯はよく分からないのです。すでに酒場の営業が終わったあとのことだったので・・・。彼はなにか良いことがあったのか、遅い時間に入ってきて豪快に笑いながら注文してましたね」
(´・ω・`)「営業終わってから来たのね」
ブロマン「はい・・・、まぁオーナーであるマリアムがため息をつきながらも許可をした様子だったんで、私も彼にメディア産のにごり酒を渡したんですね。それで、片付けをしようと思って外に出ていましたので、状況が全然分からなかったのですよ。」
(´・ω・`)「ふぅん」
ブロマン「ま・・・まさかあなたも私が犯人だと思ってないでしょうね・・・!私とマリアムは潔白ですよ!本当に!」
闇の精霊「ククク、徹底的に調べよう。調べても何も手がかりがなければ証拠を捏造してコイツラを犯人に仕立て上げようか。」
(´・ω・`)「あんたほんとーに悪いやつ!」
続く(*´ω`*)