PART.29 生きることは希望か。絶望か。
今回の話は、ちょーっと暗めです(´・ω・`)あんまり暗い気持ちになりたくない人は、見ないほうがいいかもしれません。
おっしゃこいよー!!(*‘ω‘ *)って人は見てください!!
ここが難民キャンプです(*‘ω‘ *)
うーん。たしかに少し寂れた雰囲気のある場所ですね・・・。オーウェンさんがいたので話しかけてみましょう!
(*‘ω‘ *)「オーウェンさぁ~~~ん」
オーウェン「シッ!・・・静かに・・・!」
(´・ω・`)シュン
オーウェン「あちらを・・・」
(´・ω・`)「?・・・・!!?」
( ゚д゚)「あれは・・・!?」
難民キャンプの中央で、木の作り物にはりつけにされている女性。
黒い霧が発生し、ジョルダインが姿を表す。
病気の魔女「・・・準備が終わりました。」
ジョルダインは謎の呪文のようなものを唱えながらその手から黒いオーラを出す。
そのオーラははりつけにされた女性に伸び、女性の生気を奪っているようだ。
女性「あぁああぁあぁあ・・・!!」
ジョルダインは後ろを振り向き、また呪文のようなものを唱えると地面に倒れていた多くの死体がむくりと起き上がる。
そしてジョルダインはまた黒い霧に包まれ、姿を消した。
・・・
女性にかけよるエルちゃん。
「だ、大丈夫です・・・・・・か・・・?」
近くで見たその女性の姿からはまるで生気というものが感じられなかった。
(´・ω・`)「・・・ひどい」
オーウェン「えぇ。本当に。」
(´・ω・`)「でも、ブレゴ軍団長が話していたシャドウナイト達はいなかった」
オーウェン「そのようですね。もしかしたら、シャドウナイト達はまだジョルダインに完全に忠誠を誓っているというわけではないのかもしれません。ここで犠牲になった方たちには悪いですが、それに関しては少し希望がありますね。」
(´・ω・`)「ジョルダインだけだったら、叩くチャンスがある・・・」
オーウェン「そうですね。・・・私は彼の行ったことの記録を集め、カルフェオン神聖大学へ向かいます。あなたはここの責任者であるビパーチェに会ってほしいのです。よろしいですか?」
(´・ω・`)「ビパーチェ・・・?確かサンペヨンとかいう怪しげな司祭が仕えているとか言ってたなぁ・・・」
オーウェン「ビパーチェも司祭の一人です。北部小麦農場のノーマン夫人から送られたと言えば、会話を続けることができるでしょう。」
(*‘ω‘ *)「あいっ」
このオレンジ色の人がビパーチェ司祭(*´ω`*)
(*‘ω‘ *)「どもども~ノーマン夫人から送られてきましたん」
ビパーチェ「むっ?また送られてきたのか。彼女には何度も伝えたのだがね・・・。ここは私達の責任で管理をすると。なぜ何度も何度も自ら助けを贈ろうとするのだろうか。」
(´・ω・`)「さぁ~、心配なんですかねぇ」
ビパーチェ「冒険者よ。幸せとは何だと思うかね。」
(´・ω・`)「え・・・いきなりですね。・・・そうですねぇ・・・健康に、楽しく暮らしていくことですかね・・・?」
ビパーチェ「そのとおり。ただ、エリアン様のお恵みの下において、ではあるがね。」
(´・ω・`)「私はここの出ではないので、エリアン教についてはあまり・・・」
ビパーチェ「エリアン様の救いとは、生きる者は生き、死ぬる者には安息をもたらすことであるのだよ。」
(´・ω・`)「・・・つまり?」
ビパーチェ「なんとなく見てわかるだろう。このキャンプでは疫病が蔓延している。そして病は深刻になるばかりだ。死んでも死にきれぬ彼らを見給え・・・。闇に汚染され苦しみもがき、自分が何者か、なぜ生きているのかもわからないでいる。それが果たして幸せであろうか・・・?そして彼らが闇にのまれ続け、その苦しみの中でエリアン様への信仰すらもなくしていったら?それは本当にエリアン様が求めていることかね?」
(´・ω・`)「だから食料などの救援を受け取らず、見殺しにすると。」
ビパーチェ「私は見殺しにしているつもりはないよ。エリアン様の救いにあずかるための手助けをしているのだ。それに、この病人たちを放っておけば、病は更に広がりカルフェオン全土を蝕むだろう。私はここの者の命だけではない。私の妻や家族、その他カルフェオンの多くの者たち全ての命を守らなければならない。ノーマン夫人の行いは、それを阻害するものであるとは思わないかね?・・・彼女はエリアン教の敬虔な信徒であるはずなのだがね・・・。」
(´・ω・`)難しい問題だ。疫病を患った人にも生きる希望を与えようとするノーマン夫人。そして、今、健康な人の生命を守るために病人たちを一つどころに集め、死という安寧を与えようとする司祭。
ビパーチェ「30年前を思い出すな。黒い死の悪夢を。」
(´・ω・`)(30年前も、同じような疫病が流行ったのかな・・・?)
ビパーチェ「わかってくれ、冒険者よ。私は、誰よりも、彼らを愛している。そして、彼らを近くで見てきたからこそ、彼らにすぐにでも、安寧を与えてやりたいのだよ」
(´・ω・`)・・・
(´・ω・`)「ねぇねぇ」
闇の精霊「なんだよ。オマエから話してくるとは珍しいな」
(´・ω・`)「どうするべきだと思う?」
闇の精霊「は?司祭の言うとおりだ。オマエは奴らに『生きろ。でも毎日苦しめよw』とでも言うつもりか?」
(´・ω・`)「・・・うーん・・・でも、人は辛い境遇の中からも幸せを見つけるべきだと思うし・・・生きていれば、もしかしたら治る希望だってあるわけじゃない・・・?」
闇の精霊「ククwククwwwじゃぁアイツラをほっとけば?wそれで奴らの家族に感染して、同じ難民キャンプ送りになったら、絶望だなw・・・あぁ。でもその時アイツラはどういう顔をするんだろうな?見てみたい気もする・・・w」
(´・ω・`)はぁ・・・。相談相手を間違えた気がする。
・・・
(´・ω・`)「あのぉ・・・」
汚染された者「うぐ・・・・うぅぅ・・・」
(´・ω・`)「大丈夫?」
汚染された者「冒険者・・・か・・・?っげほ・・・!ごほっ!あぁー・・・苦しい・・・」
(´・ω・`)「・・・」
汚染された者「お前・・・背中に・・・剣・・・」
(´・ω・`)「うん」
汚染された者「殺してくれ・・・」
(´・ω・`)「・・・」
汚染された者「頼む・・・殺してくれぇ・・・」
彼は地面を這って私の方に近寄ってくる。私は驚いてとっさに少し距離をとってしまう。
汚染された者「・・・オレには家族がいる。友がいる。奴らに、感染させたくねぇ。っげっほ・・・!!っがほ・・・!できることなら・・・オレらだけで終いにしてぇ。エリアン様もよぉ、きっとオレがこう言うのを許してくれると思うんだよぉ」
(´・ω・`)「・・・」
(´・ω・`)「じゃぁ・・・じっとしてて。」
汚染された者「・・・やってくれるんか・・・」
(´・ω・`)「なるべく痛くないようにするからね」
汚染された者「ありがてぇ・・・ありがてぇよぉ・・・!」
ズバ・・・!!
・・・
汚染された者は目から涙を流しながら、最後は微笑んでいた。
体から切断された頭。まだ意識があるのか、かすかに聞こえるぐらいの小さな声でこう言っていた。
「・・・死にたくなかったぁ・・・」
(´;ω;`)うわあああああ!!!
この病の原因は何なのか。何が悪いのか。何者も悪くないのか。
それではこの怒りを、悲しみをどこにぶつければいいの?この悲惨な現状を。悲しむ人々を。どうすれば救えるの。
エルちゃんは何もわからず、考えず、ただ無心に、汚染された者たちを殺すのであった。
闇の精霊「おーこわ・・・w」
続く(●´ω`●)